良く帰ってきたね

 先日、「帰らぬ君へ」と題したブログをアップしましたが、その少年が戻ってきました。

 おそらく、ものすごい葛藤があったと思います。試験観察中に行方不明になれば、少年院を覚悟しなければならないことくらい、少年は当然知っています。

 それでも、少年は帰ってきたのです。 連絡を受けたとき、まず、「生きていてくれて良かった。」と思い、次に「良く帰ってくる気になってくれた」と、思いました。

 一度チャンスをくれた裁判所を、結果的にであれ、裏切ることになってしまった少年に、次の審判は決して甘いものではないでしょう。それでも、厳しい審判があることを知りつつも少年は帰ってきたのです。少年の中に、やはり、正しく生きたいという気持ちがどこかに眠っているのではないでしょうか。

 その少年の心の中の小さな種をどうやって、芽を出させるのか、弁護士や両親、家庭裁判所が真剣に考えていかなければなりません。しかし、何よりもその少年自身が小さな種を持っていることに気づき、その種が花開くことを何らかの理由で自ら妨害してしまっていることに気づかねばなりません。それは、これまでの自分の生活を否定することにもなりかねず、極めて苦しいことでもあります。

 しかし、少年が更生への入り口へと自分の力で戻ってきたのですから、私達は少年の力を信じてみることからはじめなければならないと思います。無理せず、一歩ずつで良いから私も少年と一緒に付き添って歩いてみようと考えています。

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