今は参政党を叩くときではない

 参政党がTVや新聞等で専門家などから、選挙公約のことなどを突っ込まれ、批判されているようだ。この点について雑駁な感想を述べる。

 確かに参政党の選挙公約には詰め切れていない点もあるだろう。


 しかし、通常、選挙公約は細部まで詰め切った公約であるとは限らないし、その党や候補者の、当選後の活動方針の大綱と見るべきだろう。選挙公約作成時には、どれだけの候補者が当選するかも分からず、選挙後の政界の勢力分布も分からない状態だから、今後の目指すべき政治活動の方向性を打ち出すしかないからだ。

 そして、参政党に限らず、政党や政治家と有権者との関係で言えば、政党や政治家は公約に従った政治活動を行うことを約束して選挙に出て有権者に支持をお願いするのだから、選挙後において選挙時の公約に沿った政治活動を、その勢力に応じて、実際に、どこまで、どのように行ったかが、政党や政治家の評価基準となるべきだ。

 このように、今回の選挙公約を、今後の政治活動の中でどれだけ誠実に果たそうと努力するかという点を、政党や政治家に対する評価・判断基準とすべきであり、選挙直後の今は、参政党・参政党議員の国会での活動がどうなるか分からない段階なのだから、安易に参政党を叩くときではない。

 したがって、参政党の今回の選挙公約などが現時点で詰め切れていないものであるという点を参政党の欠点として批判すること、「極右政党」・「外国人嫌悪」とレッテル張りすること、このいずれもが、旧勢力からの参政党バッシングにすぎないと私は考えている

 参政党への評価は、今後の参政党の政治活動を見てから行うべきであり、選挙直後の今は、参政党を叩くときではない。

 ただ、選挙公約を明らかに守ろうとしない政党を叩くことは、なんらおかしなことではない。


 特に政権を保持する与党政党については、政権を保持しながら選挙公約を守らないというのであれば、当然批判に値するだろう。

 ちなみに2024年衆議院選挙での自民党の政権公約は、次のとおりだった。

(ここから)
何よりもまず、自民党への信頼を取り戻す。
そして、いま日本が置かれた現実にしっかりと向き合い、
確かな道を、確かな政策と実行力で歩んでいく。

納得と共感のもとで、安全と安心を支え抜く。
私たちが目指すのは、謙虚で誠実で温かい政治です。

透明性を高める徹底的な政治改革を。
経済成長を力に、物価の上昇を上回る所得向上を。
激動の世界を見据えた外交・安全保障、万全の災害対策を。
加速する人口減少へ抜本的な対策を。
地方の振興を加速させ、農林水産業を更なる成長産業へ。
そして、国民の皆様とともに憲法改正を。

日本を守る。成長を力に。
自民党は必ず変わります。
そして、総力で日本を守り抜き、新しい時代を創ります。

あなたの一票を、ぜひ自民党へお願いいたします。

自由民主党総裁 石破 茂
(ここまで)

 さて、上記の選挙公約をした自民党は、大敗したが、公明党との連立与党内閣で、この1年でどれだけ公約を守る努力をしてきたのか。

 企業献金・裏金の問題を含め、政治と金の問題は未だくすぶっており、透明性を高める政治改革は何ら実現されていない。
 物価高は進行し実質賃金は下がり、実質的所得向上は何ら実現出来ていない。
 外交・安全保障については、国際会議で、外国の元首が握手に来ても座ったまま対応するなど首相のマナーの悪さなどが目立つが、特筆すべき成果は見出せない。
 万全の災害対策もしかりだ。
 こども家庭庁に予算を出すものの、出生率が更に下がっており人口減少への抜本的対策が見えない。
 地方の振興と言われるが、東京一極集中は更に進行しているように感じられるし、農林水産業が発展した様子も、私には伺えない。

 ここまで公約を果たせないのなら、そりゃぁ大敗(頽廃・・笑)しちゃうでしょ。小説ではない現実世界で、綺麗事だけ言われても、実行できない絵空事なら、聞くだけ意味がない。

 やっぱり自民党は世代交代でもして生まれ変わらないと、ダメなんじゃないだろうか・・・。


 

夏空

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