日弁連会長選挙が始まる

 日弁連会長選挙は2年に一度行われる。

 今年の立候補者は、1月6日18:00時点では、日弁連のHPに告示されてはいないようだが、少なくとも50音順で以下の3氏の立候補は確実だと思われる。

 及川智志氏
 小林元治氏
 髙中正彦氏

 私は大阪弁護士会内においても会派に何ら所属しておらず、妖しい裏の事情などさっぱり分からないので、あくまで素人目から見た三者の感想である。

 及川智志氏は、前回に引き続き再度の立候補である。東京・大阪等の大弁護士会の派閥の力を全く使わず、独自の活動で今までの大弁護士会の主流派優先ですすめられてきた弁護士会運営に疑問を投げかける。
 私は及川氏とは、宇都宮氏が日弁連会長であったときに開催された、法曹人口問題政策会議(だったかな?)のメンバーとして面識を得ている。熱く真っ直ぐな人で、権威を恐れず直球で勝負する方である。ご自身の名誉など全く考慮外で、弁護士を職業として維持して行くためにどうすべきかを真剣に考えておられた。市民目線を言われることから生じる、ちょっと左がかっているかもしれないという周囲の偏見・思い込みを打破できれば、若さは武器でもあるし、面白いかもしれない。

 小林元治氏は、賛同者を見ると日弁連元会長や大阪弁護士会の元会長などの有力者が名前を連ね、主流派からの候補者であろうと思われる。前回の日弁連会長選挙前にも政策団体を立ち上げるなどして立候補の予定を窺わせる行動を取っていたが途中で立候補しない方針に変更したと聞いた記憶がある。まあ主流派の中でいろいろな駆け引きなどがあり、前回は我慢したので今回こそは当選させてもらうという意向なのだろう。1月4日時点の賛同者は4000名を超えると、同陣営(政策団体)から送られてきたFAXには記載がある。
 残念ながら私は小林元治氏とは多分面識はない。しかし、有力者の多さから見て、主流派候補の本流ではないかと考えられる。おそらくは今回の選挙の本命と目されている方だろう。

 高中正彦氏の賛同者にも、日弁連元会長や大阪弁護士会の元会長などが名前を連ねているようであり、主流派の流れを汲むのかとも思われるが、有力者の名前が少なく感じられることから考えて、主流派の本流ではないのかもしれない。しかし、1月4日時点の賛同者は3300名を超えると、同陣営(政策団体)から送られてきたFAXには記載がある。
 ずいぶん前だが、元大阪弁護士会会長から日弁連会長も務めた中本和洋先生のご紹介で高中氏とお話ししたことがあるが、気さくで話がとても面白いお方だった。確か法曹人口政策会議にも出ておられたと記憶するが、法曹人口問題は当時の主流派と同じ意見であり、合格者減員を言わなくっても・・・という感じだったような記憶がある。

 仮に主流派が、まとまりきれずに小林氏(本命)と高中氏(対抗)に分裂しているのであれば、及川氏(大穴)が割って入る事態も起こりうるかもしれず、そこそこ面白い選挙戦になるかもしれない。

 日弁連の政策は、会長が誰になるかによって大きく変わりうる。だから、各弁護士の一票は大事なのである。

 仮にボスから投票先を命令されても、秘密投票なので、投票時に面従腹背は可能である。そもそも投票先を命令するボスなど部下の意思を無視している危険なボスかもしれないし、そのようなボスがあなたの未来を必ず守ってくれるとは限らないだろう。

 もちろん私は、イソ弁である永井君に、投票先の指示などしたことはない。

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