法テラスの動向に注意が必要?

2021年1月12日 0 投稿者: sakano

 私は反対だったが、先だって、大阪弁護士会常議員会で、大阪の法テラス事務所に常駐弁護士を受け入れる決議がなされている。

 そもそも発足当初から法テラスは、民業圧迫であるとの反対論も有力だ。これに対し、あくまで法テラスは弁護士や弁護士会の手が回らない、経済的にペイしない事件などを行う補完的な制度だから民業圧迫ではないと法テラスは主張している。

 法テラス常駐弁護士も元々は弁護士過疎地域に常駐してリーガルサービスを届けるための制度だったとはずであり、そうだとすれば弁護士過疎地域でない大阪市に常駐弁護士をおく必要などないはずなのだ。また、大阪弁護士会は多くの会員が熱心に委員会活動を充実させており、ペイしない事件も委員会が中心となって引き受けるなど相応の工夫もなされている。

 しかし法テラスの要請だったか、日弁連の要請だったか忘れたが、これまで常駐弁護士を受け入れていなかった大阪も、どちらかからの打診をうけ、常議員会の多数決で常駐弁護士を受け入れる回答をしたと記憶している。

 本日の常議員会で、法テラス大阪の職員がある団体に対して、「今後は常駐弁護士が来るから無料でいつでも相談に応じられます」等と、宣伝活動を行っていた事実が明らかになった。

 そりゃ~、国のお声がかかった制度であるうえ、無料なんだから、こんな宣伝されたら誰だって法テラスに依頼したがるに決まっている。これはすなわち、民業圧迫のストレートパンチだ。

 もちろん大阪弁護士会執行部としても、法テラスの役割を指摘して強く抗議したらしいし、次回の常駐弁護士の打診が来ても白紙回答(撤回?)すると会長は述べていた。

 執行部の話では、今回の事件は大阪法テラス所長も、副所長も知らないことだったらしいが、私は不安の影を払拭できない。

 というのも、大阪法テラスとして行動指針を作成する過程でこのような宣伝活動が行われたということらしいから、それが事実だとすれば、今回勇み足をしてしまった法テラス職員としては、「今後は法テラスを宣伝する必要があるし、それが大阪法テラスのためになる」と信じていたと言うことだろう。

 つまり、補完的役割であるはずの法テラスが、積極的に顧客開拓に乗り出す必要があるとその職員の方は感じていたわけだ。

 特に何の指示や考えもなく、敢えて職員の方が面倒な営業活動を行うとも考えがたいから、法テラスが積極的顧客開拓を行う方針を暗に指示していた可能性があるのではないだろうか。

 また、近時インターネットを開けば、法律相談無料!と誇示した法テラスのバナー広告を何度も見たことがある。

 法テラスが、医療保険制度のように適切な報酬を弁護士に認定してくれるのであればともかく、とにかくペイしないレベルの安い弁護士費用を認定することが常態化している現状で、さらに、顧客開拓に乗り出すのであれば、法テラス制度を考え直す必要もあるのではないだろうか。

 ちなみに法テラス理事長が市井の弁護士のために何か役立つことをしてくれたような記憶はないし、法テラス制度に協力して安い弁護士費用に泣かされる弁護士が数多いるのに、その理事長の報酬は年額で1800万円余りになるようだ。

 おまけに、その額の適正さについては、他の天下りの団体と比較して高額ではないからという、理由にならない理由が付されている。

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