今からでも間に合う(かもしれない)司法試験サプリ(7)~短答式試験編

 ※とにかく過去問!

 短答式試験は、とにかく過去問の繰り返しに尽きる。予備校の予想問題集よりも過去問が重要である。予備校の予想問題集・模擬試験は、どうしても出題者のレベルが本試験に比べて異なるから、いくら本試験に似せようとしてもどこかが違うのだ。本試験に勝つためであれば、過去問演習が最も効果的な対策であることは言うまでもない。

 どの程度過去問を繰り返す必要があるかというと、最低でも過去10年以内の問題であれば、問題文を見た瞬間に、「答えはこの肢だ!」とわかるレベルまでの繰り返しが必要である。

 そのレベルまで私は過去問を繰り返して解いているが、どうしても得点が伸びないという方は、心の中でズルをしていないか確認をお勧めする。

 ズルというと失礼に当たるかもしれないが、過去問を解く際には、正答を選べただけではだめなのである。過去問のそれぞれの選択肢で問われている知識を確認しながら解く必要があるのだ。

 つまり、人間とは自尊心が高い反面、心に弱いところがあるもので、問題演習の際でも間違いたくないという意識がどうしても働くことが多い。特に試験直前期にはそうである。だから過去問を何回も回していると、見た瞬間に正解の肢が分かるので、その肢を選んで正解であることを確認して安心したがるものなのだ。

 しかし、そのような過去問演習は、何の意味もない。単に覚えている肢を選んで自己満足してしまっているだけなのだ。

 問題を見た瞬間に正答の肢が仮に5であると分かったとしても、いちいち、1の肢は判例に~という点で反しているから間違い、2の肢は条文の~~という文言に反するから間違い・・・・というように、面倒でも正しい肢も間違いの肢も、一つ一つの肢にきちんと頭の中で根拠を指摘して、正誤を判断し、過去問で問われている知識を確認しながら演習していかなくては意味がないのである。

 その作業を抜きに、問題を見た瞬間に覚えていた正答を選んでそれで安心するような過去問演習は、全く意味がないといってもいい。

 そもそも、過去問というものは、その問題を解ける受験生を合格させようとしている問題なのだから、過去10年間の過去問をきちんと解けるだけの知識を持ち、その知識をきちんと使える受験生を落とすわけがないのだ。

 あまり推奨しないが、どうしても過去問を解く時間を捻出できない人は、最後の手段として、過去問の問題と解答を読みふけるという方法もある。問題を解くことなく過去問で問われている知識を身につけるための方法だ。

※こんな方法も

 次にこれは私なりの方法であり、人によって異なるかもしれないが、組み合わせの選択肢を選ぶ際には、絶対に確実だと確信を持って言える知識を軸にするほうが正答率が高い場合が多いように思う。

 例えば、ア~オまでの選択肢のうち、正しい肢を二つの組み合わせを選ぶ問題があったとして、あなたの判断では次の通りだったとする。
 アは100%正しい。
 イが正しいとしても20%くらいだろう。
 ウは100%間違っている
 エは70%くらい正しいと思う。
 オは80%くらい正しいと思う。

 そして(ア、イ)を組み合わせた選択肢と(エ、オ)を組み合わせた選択肢で判断を迷ったとする。
 この場合、単純計算すれば、
 (ア、イ)は100+20=120
 (エ、オ)は70 +80=150
 となるので、心情的には、(エ、オ)の選択肢を選びたくなるものだが、私の場合はそこをぐっとこらえて(ア、イ)の選択肢を選ぶほうが正答率が高かった。

 結局この問題であなたは、アとウの選択肢以外は、確実な知識をもっていないということになる。それは裏を返せば、イ・エ・オいずれの選択肢とも、あやふやな知識しかないということだから、正確な知識がないという点では同じなのである。一応20~80%の範囲内で比較をしてはいるが、それとてもあやふやな知識の中で、どっちがましかを比べているに過ぎない。
 そうだとすれば、絶対に確実に正しいと断言できるアの肢を含む(ア、イ)の組み合わせを選ぶほうが、正答率が高くなる可能性があると言いうるのではないだろうか。

 これは、私なりの方法であるし、裏技的なものだから、あくまで参考までに、そんな考えもあるのか~、くらいで押さえておいたほうがいいかもしれない。

(続く)

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