司法試験委員が法科大学院に求めるもの~環境法~

今回は環境法を取り上げる。

(以下、採点実感に関する意見より引用)

【学習者と法科大学院教育に求めるものについて】
第1に,法科大学院の環境法の授業では,規制の仕組みが概説されているものと思われるが,特に主要な法律の基本的規制システムについては,テキストの概説をするだけではなく,実際に法令集を参照しつつ,条文の文言に即して理解させてほしい。また,学習者においては,法律の仕組みがなぜそうなっているかを考えつつ,学習を進めていただきたい。
第2に,環境個別法についても,一つ一つの条文だけではなく,法律の目的規定から法律の仕組みを捉え,問われている論点について,法律全体的観点から捉えることができるような学習を進めていただきたい。
第3に,環境訴訟については行政訴訟と民事訴訟の双方についてまんべんなく理
解を進めるよう指導及び学習をお願いしたい。

(引用ここまで)

【超訳】~司法試験委員が言いたいであろうことを推測して補った上での意訳

 学生さんと法科大学院に言いたいこと

 まず法科大学院の授業で、規制の仕組みはホンマにちゃんと説明されとんのかいな?全く分かってないみたいやねんけどな。特に主な法律に定められとる基本的な規制システムについては、テキストをおおまかに読むだけやのうて、実際に法令集読ませて、条文の文言に沿って理解させたってほしいねん。「主な法律」の「基本的な」規制システムすら出来てへんから言うてんねんで。何も細かい規制を知っとけと言うてんのとちゃうで。環境法分野で、主要な法律に定められた基本的な規制システムすら分かってへんのやったら、それで環境法勉強しましたなんて言えんわな。試験科目なんやで。ホンマに大丈夫か法科大学院教育は。それと、勉強しとる学生さんは、法律の仕組みがなんでそないになっとんのかしっかり考えながら勉強せなあかん。考えもせず覚えるなんてアホのやることやで。教え方の問題もあるのかもしれんけど、それでも答案から見たら、しっかり考えることが出来てるようには見えへんのや。

 次に、環境個別法って言われとる法律についても、一つ一つの条文だけやのうて、なんでその法律が定められとんのか、っちゅうところから法律の仕組みをよう考えて、問われとる論点について、法律全体から見たらどうなるねん、と考えられるように勉強してってもらわなあかん。一つ一つの論点だけやっとってもアカンねん。法律全体的観点が出来てへんちゅうことは、言い換えたら論点主義に陥っとるかもしれんっちゅうこっちゃ。論点主義があかんいうて法科大学院教育になったはずやろ、暗記はあかん、プロセスによる教育がいるゆうて、法科大学院に国民の血税を投入させたんやろ?それでこのざまかいな。国民の皆様に謝らなあかんで。

 最後に、環境訴訟は行政訴訟と民事訴訟にまたがる問題や。当然その理解がないとまともな答案は書けへんで。行政訴訟も民事訴訟もきちんと理解させるよう教えたらなあかんし、勉強する学生さんもそこんとこよう分かって、きっちり勉強しとかなあかん。

 なんべんも言うけど、出来てへんから言うてんねんで。特に今年ひどいから、「出題の意図と解答に差異がある原因」まで、敢えて書いてやってんねん。こんなん書かれるっちゅうことそれ自体が、実務家を養成して見せますって大見得切ったはずの法科大学院の赤っ恥や。せやけど、敢えて書かなアカンくらい壊滅的になってきたっちゅうことや。

(続く)

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