司法試験委員が法科大学院に求めるもの~租税法

今回は租税法を取り上げる。

(採点実感に関する意見から引用)

4 今後の法科大学院教育に求められるもの
今年も,第2問の設問3において,法人税法に関する問題を出題した。今後も所得税を基本とする問題が出題されると思われるが,法人税についての基礎的な知識の修得も重要であることは言うまでもない。
また,今後も,事例中心の出題である点には変化はないと思われる。法科大学院においては,所得税法及びこれに関連する法人税法に関して,条文に則して理解を確かなものとするとともに,個々の規定の趣旨・目的や相互関係についても理解を深めるように努めた上で,そのような基礎的な学習を通じて習得した知識や能力を事例演習等によって確認し,事例解決のための応用力や総合的判断力を涵養していくというような教育が望まれる。

(引用ここまで)

【超訳】~司法試験委員の言いたいことを推測した私の意訳。

4 これからの法科大学院教育はこうやって欲しいんや

 今年も法人税法に関する問題を出題したんは、租税法科目は所得税を基本に出題してくけど、法人税についての基礎的な知識も不可欠やっちゅうメッセージやで。
 それに今後も、事例中心の出題をする点は多分変わらへんと思うわ。

 法科大学院では、所得税法とそれに関連する法人税法について、条文から理解を確かなものにする教育をせなあかん。それと同時に、個々の条文の規定の趣旨・目的、相互関係についても学生に理解を深めるよう教えてやらなあかん。法律は条文が全ての基本やろ、そこんとこからしてできてへんから言うてんねんで。なんでその条文が定められたのか、その条文の目的はなんなのか、条文同士が相互にどないな関係にあるんか、ちゅう当たり前のところについては、当然勉強できてなあかんところや。そこまでが、少なくとも基礎的なお勉強やで。中学生の勉強で言うたら教科書レベルや。しっかり教科書レベルを叩き込んだってもらわんとな、応用なんざ、夢のまた夢やで。

 今んとこ全然やけど、欲を言うたら、そんな基礎的な学習を通じて、学んだ知識や能力を、問題演習などで確認しながら、事例問題の解決に向けた応用能力や、総合的な判断能力を養ってもらわな、困るところや。法律実務家としては当たり前に必要とされとる力やねんから。

よう頑張ったってもらわなあかんな。

(続く)

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