ある、エアメール

ある方から、エアメールを頂戴した。
プラハからのエアメールだった。

差出人は、5年ほど前、プラハの小さなお店で偶然お会いしたKさんだ。
何度もご夫婦で、プラハに来ておられるとのことで、非常に旅慣れておられた。
残念なことに、ご主人は、ご病気になり亡くなられてしまった。

その後、縁あって何度か連絡を頂いたことがあったが、Kさんは、ご主人と一緒に行かれた場所などには、なかなか、出向く気がしない、と仰っておられた。

あれだけ仲が良かったご夫婦だからKさんの気の落としようは、当然だろうとは思いつつも、あまりに後ろ向きにお考えのようであれば少し心配だな、と私は考えていた。

今回、Kさんから頂いた、エアメールには、日本にいるよりもご主人のことを思い出す、素晴らしい想い出のつまった街でもあり、またご主人が大好きな街でもあったから・・・、と書かれていた。

きっと、プラハで、亡くなられたご主人との様々な事を想い出しておられるのだろう。そしてその想い出は、きっと胸に切ない痛みを感じさせるものでありつつも、決して辛く苦しいものではなく、冬の晴れ渡った空のように、明るく澄み切ったものなのではないかと想像する。

そして、私の勝手な想像は、おそらく、当たっているのではないだろうか。
Kさんから頂いた、エアメールの絵はがきの図柄には、晴れ渡った、川沿いのプラハ市街の写真だったのだから。

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