迷惑メール

 朝、事務所に出てきて、メールソフトを開くと必ずやらなければならないことがある。

 迷惑メールの始末だ。

 そもそも、一度訳の分からないメールが届いて、「誤って届いている場合はこちらの配信停止をクリックして下さい」と書かれていたため、間違えて送信したことを教えてやった方が良いのかなと考えて、馬鹿正直にクリックしたのが運の尽き。完全に迷惑メール用ターゲットに登録されてしまったようだ。

 一気にその後、迷惑メールの迷惑にさらされることになっている。いちいち読んでいるわけではないが、女性名義でお付き合いしたいからくリックしろだの、宝くじを当ててやるからくりっくしろだの、競馬のあたりを教えてやるからクリックしろだの、バイ○グラが特売だからクリックしろだの、余計なメールが2週間で1000通を超える。

 人の親切を逆手にとって、こちらのメールアドレスを登録する手段自体相当腹が立つやり方だが、その後さらに迷惑メールの洪水にさらされると、さすがに頭に来てしまう。

 メールソフトには、迷惑メールの送信先を登録すればそこからのメールは迷惑メールフォルダに振り分けてくれる機能がついているが、あまりの量の多さに、登録作業すら面倒くさいほどだ。間違えて通常のメールを登録してしまえば、普通の人からのメールまで読めなくなってしまう。また、迷惑メール登録機能があったとしても、敵も然る者、送信先を次々と変えて送信してくるのだから始末に負えない。

 これだけ一方的に迷惑をかけられているのだから、メールソフトや、プロバイダーの方で、何か対策が取れないのだろうか・・・・・。せっかくの便利な通信手段なのに、一部の不心得者のせいで、その便利さが大きく阻害されていることは残念だ。

明日から新司法試験

 明日から、新司法試験が始まる。

 いろいろな事情をかかえた人もいるだろう。大変な方も多いはずだ。しかし、試験自体はみんな大変なんだ。問題を見て、「しまった!もっとやっておけば!」とか、「あ~、全然わからんわ!」となる場合もあるだろう。しかし一部の天才的な受験生を除けば、ほぼみんながそう思っていると考えて間違いない。素知らぬ顔で答案を書いていても、心中不安がいっぱいなのが、ほとんどの受験生だ。

 そうだとすれば、心理的に負けたら損だ。だってみんな、困っているんだから。心理的に、負けなければ活路は開ける可能性がある。

 試験で表現できた実力は、公平に判断してもらえる。とにかく自分の実力を表現することに徹するべきだ。

 実力以上に飾ってみても、見る人が見ればすぐ分かる。万一、それで合格しても、2回試験で落ちるかもしれないし、実務家になってから過誤を起こすかもしれない。それなら、今の実力で堂々と勝負すべきなんだ。

 問題から逃げず、謙虚に問題に立ち向かい、全力を尽くして解答することだ。ツイッターにも書いたが、論文試験で困ったら、まず「問題で問われていることは何か」、「与えられている情報は何か」、「関連する条文は何か」、「当事者だったらどう考えるか(何を求めるか)」、等に整理してとっかかりを探してみるのも一つだ。特に思考が堂々巡りしてしまった場合は、答案構成用紙に箇条書きにして書き出してみれば、何か思いつくはずだ。

 4月後半から、司法試験に関して、ツイッターで心構えなどをつぶやいていたら、どうも、受験生の方のフォローが増えたようだ。せっかくフォローして下さった方々、是非頑張って下さい。

 最後まで絶対にあきらめないこと。万策尽きたと思っても、あきらめないという手段があると無理にでも思い込んで、最後まで戦い抜くことが大事だと思う。

もちろん予備試験を受験される方も、心構えはおんなじだ。

 受験生の皆さんの健闘を祈ってやまない。

TPP~続き

 実は、先日、GW中にでもTPPについて少し勉強しようと思って書店に行ったが、TPP反対論者と思われる表題の書籍はいくつも見られたが、TPP推進論と思われる書籍は見当たらなかった。

 その後、GW中に発刊されているのかもしれないので、また見ておこうと思う。

 まず読んでみたのが「TPPが日本を壊す」(廣宮孝信 扶桑社新書)だ。

 かなり分かりやすく説明されており、巻末にはTPP第11章の和訳が載っている。第11章の和訳だけでも新書版で26ページにも及ぶ。このことからTPPが非常に大部の取決めであろうと推測される。

 また、2010年10月1日にいきなり菅首相が、臨時国会の所信表明演説でTPPに触れ、民主党内でも議論が進んでいた政策ではなかったため、民主党内部で議員110名以上を集めた反対集会が10月21日に行われたそうだ。少なくとも、政治主導であるはずの民主党で、政治主導ではなく、総理主導になりかけていることは事実なのだろう。

 TPPの推進派の内閣府・経産省の試算はプラス評価、農水省の試算はマイナス評価、つまり本当のところは、プラス効果をもたらすか、マイナス効果をもたらすか、誰も明らかに出来ない状況にあるようなのだ。もちろん農水省は、農業保護を是とするから、マイナス評価なのだろうという穿った見方も可能だが、この本は、実は農産物にかけられている日本の関税は一部農産物を除き、農産物輸出国よりも低い関税率になっていると指摘する。

 現に、OECDから引用した主要国の農産物平均関税率の表をみると、インド・ノルウェーは120%を超える平均関税率、韓国でも60%を超える関税率、開かれたといわれているEUですら約20%の関税率を維持しているのに、日本は20%を大きく割り込んだ関税率しか維持していない。

 ということは、既に農産物に関しては、十分日本は開かれた国になっているとも言えるはずだ。それなのにどうしてさらに「国を開く」等という必要があるのだろうか。政府の言っていることは相当ミスリーディングな内容となっていることに注意しなければならないようだ。

 詳しくは、本書をお読み頂くとして、各章における著者の、まとめだけを引用しておく。

第1章

①日中FTAの代替案としてTPPが急浮上した。

②TPPはFTAと異なり「例外なき100%の市場開放」を目指している。

③推進派は経済的メリットを根拠。

④反対派は時期尚早だと考えている。

⑤是非を問う議論は始まってもいない(執筆時点で)。

第2章

①TPPでメリットを享受できるのはグローバル企業である。

②TPPでは政府調達(公共事業)も開放対象となる。

③TPPでデメリットを被るのは大多数の国民である。

第3章

①TPP加盟国及び参加予定国の目的は輸出である。

②低購買力かつ小規模市場の開放は、高付加価値輸出を望む日本の利益になりにくい。

③通貨安誘導をしている各国にとって、日本は格好の輸出先である。

④TPP参加国は既に、日本とFTAを結んでいる国と利害対立国が大多数を占める。

⑤国益と日本企業の利益は必ずしも一致しない。

第4章

①現状のままTPPに参加すれば、地域経済は壊滅的な打撃を受ける可能性がある。

②国は地方から壊れる。

第5章

①TPP参加論議に国益確保の視点が失われている。

②「国民」、「企業」、「国」の利益を増進させるには征爾の力が不可欠である。

③十分な議論と検証を行えば、よりよい選択が出来る。