NHKスペシャル「クジラと生きる」

 私の郷里の和歌山県太地町に、反捕鯨団体が常駐し、漁師達の動きを監視している。彼らが狙うのは、クジラの命を絶つ瞬間であり、それをインターネット上に公開して反捕鯨の動きを高める目的がある。きっかけは、映画「ザ・コーヴ」。

 彼らの言い分は「クジラは知能が高い動物であるから殺すことは許されない」というものだ。

 見てみたが、反捕鯨団体のやり方は異常に、ど汚い。

 漁をしている場面を盗撮するだけでも、相当な汚いやり方ではあるが、それだけじゃない。

 漁師が移動しようとする自動車の前に長時間立ちふさがり、漁師の仕事を妨害する。狙いは漁師が怒り出す姿だ。その一部分だけを切り取ってインターネットに流そうとするのだ。

 一万円札を10枚目の前に突きつけて、

 「これでイルカを一頭逃がしてくれ、ほれ、たくさんあるぞ(金が欲しいんだろ)。 」

 また撮影しながら「どうせ、誇りなんてないんだろう。」等、平気で相手を見下し馬鹿にする言葉を投げつける。

 こっちは仕事でやっている。生きるためにやっている漁だ。国際的にも認められている範囲でしか捕獲していない。何が悪い!

 仕事もしねえで、環境保護ごっこをやっている奴らになんでそこまで言われなきゃならんのだ。

 そもそも国際的に認められている日本の調査捕鯨を暴力を持って阻止しようとしているのは誰なんだ。アメリカで大量に消費されている牛肉だが、牛の屠殺場に、例えば牛は神聖だと考えるインド人が大挙して暴力的行為で妨害した場合、お前らは黙ってみてるのか。自分たちの国でどれだけの動物の命が絶たれているのかよく見てみろ。

 少なくとも自分が悪いことをやっていると理解しているだけ、その自分たちの行為を喜んで公表しようとしていないだけ、海賊の方がまだマシなんじゃないか。暴力によって日本の権利を侵害しておいて、その行為を英雄的行為だと考えているんだから、もはや頭の中に黄色いタンポポが咲き乱れているとしか思えない。

 彼らの奥底には、自分たちの文化(考え)は絶対に正しく、それに沿わない文化(考え)は野蛮だ、という相手を蔑視する見方が潜んでいる。

 そもそも、鯨を大量に捕獲して数を激減させてきたのは他でもない欧米諸国だ。しかも、鯨油だけ搾り取ってあとは捨てていたと聞いている。少なくとも太地の漁師は、鯨を捕ったら骨以外は全て利用してきた。クジラの歯ですら、加工して利用していたのだ。それが命を頂いたせめてもの礼儀だからだ。クジラ塚もつくって命を頂いたクジラに対して感謝し供養もしている。

 それと比較すれば、鯨油だけ搾り取ってあとは捨てちまうやり方は、クジラに対する、命に対する、侮辱だったんじゃないのか。

 サファリと称して、楽しみのためだけに動物を殺戮して回っていたのはどこの誰なんだ。

 相手を責める前に、クジラを含む動物の命を散々無駄にしてきた自分たちの国を、まず反省し懺悔したらどうなんだ。

 そして、どうせ反撃してこないだろうと予測される日本の捕鯨を安易にターゲットにするのではなく、東南アジアやアフリカなどで未だ収まらないといわれる凶悪密猟者による稀少動物の密猟を、それこそ命を張って阻止してみたらどうだ。デフレの日本に常駐するより費用も桁違いに安くつくはずだ。それもやらずに、環境保護だ、動物保護だと言われても、彼らの胡散臭さは消えない。

※怒りのあまり、表現が不穏当になっている部分については、お詫びします。

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