岩合光昭さんの「いぬ」

 岩合光昭さんが飼っている犬という意味ではなく、岩合光昭さんの写真集「いぬ」のお話です。

 先日、日弁連の法曹人口問題政策会議が東京丸の内であったので、日本橋三越で開催されていた、岩合光昭さんの写真展「いぬ」に行く機会がありました。

 犬好きの私としては、もう、犬の写真展というだけでメロメロなのですが、さらに、岩合さんの写真ということで(当然、岩合さんの撮影された犬の写真集「ニッポンの犬」も買っています)、これはラッキーという思いで、日弁連会議終了後、大急ぎで日本橋三越へと向かいました。

 会場は相当な混雑でしたが、大きく引き伸ばされた犬の写真は、どれも素晴らしく、一瞬を捉える岩合さんのプロとしての確かな力を存分に感じさせてくれる写真展でした。どうやら、発売されてすぐの、岩合さんの写真集「いぬ」(クレビス・税別1600円)とコラボレーションしているらしく、写真集に載っている写真が展示されています。

 さらに、写真集を買うと先着100名に岩合さんのサインがもらえるうえに、その写真集の表紙が私が最も愛する紀州犬の子犬の写真なのですから、気分的に、私は、これはもう、買うしかないという状況に追い込まれていきました。

 (あ~、悪徳商法の一つに催眠商法ってのがあったなぁ・・・それにしても知識と感情は一致しないモンだ、と頭の中で思いつつも)私は、まんまと出版社の罠に、自ら喜んでひっかかって、気付けば写真集とポストカードを買ってしまっていました。

 ギャラリートークもあり、岩合さんが、この写真は道路脇で撮影したもので上の方に小さく白く見えるのは実はガードレールなのです、とか、子犬を抱き上げてもらって撮影しているうちにだんだん子犬の機嫌が悪くなりかけているときの顔ですとか、撮影中の思い出話も楽しいものでした。その後に無事、岩合さんの直筆サイン(犬のイラストつき!)も頂戴し、ず~っと突っ立っていた疲れも忘れるくらい、満足して帰途につきました。

 自宅に帰ってからも岩合さんの「いぬ」の写真集をながめていると、写真展で感じたのと同じく、なんだか春の日に昔飼っていた犬をなでてやりながら、その頭に顔を埋めて、愛犬の、日向のような匂いをかいでいるような、そんな幸せな気分が湧いてくるのでした。

 サインして頂いている間に、そのような日向の匂いを感じさせてくれる写真ですねと、岩合さんに、お伝えすれば良かったと、今になって後悔している私でした。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です