大阪弁護士会次期執行部の方の公約(1)

  先だって、予告しておきながらブログ化していなかった、大阪弁護士会次期執行部の方々のお考えを、法曹人口問題関連を中心に、ご紹介致します。

なお、以下の引用は、字数が限られた選挙公報からの引用ですし、部分的引用の場合もあります。正確な内容については、大阪弁護士会選挙公報をご覧下さい。また、次期副会長の方は、選挙公報掲載順に記載しております(敬称略)。

中本和洋 次期会長(会派:一水会)

 弁護士人口の急増に伴い、修習生の就職難問題や法曹の「質」の低下等が問題となっています。このような状況を総合的に判断すると、現状では合格者数2000人は多いと言わざるを得ません。まず法科大学院の適正配置を図り、定員についても減員を行うとともに、司法基盤整備を行い、弁護士業務の拡大を図りながら、修習生の就職を支援していかなければなりません。

(坂野:注)中本次期会長は、合格者数の減員を行うとともに、司法基盤整備と業務拡大で対処するお考えのようです。なお、これまで多くの執行部が実現出来なかった弁護士会の機構改革も公約とされており、この点も注目されます。

辻井一成 次期副会長(会派:法曹公正会)

特に、法曹人口の増加は、弁護士の供給過多とリーマンショック以降の経済不況を背景に、深刻な新人弁護士の就職難と弁護士の経済的不安を招いています。(中略)法律事務所に就職出来ない方々が年を追うごとに増えていくことを実感しています。

(坂野:注)法曹人口増加については、弁護士の多様化と職域拡大で対処されるお考えのようです。

林  功 次期副会長(会派:五月会)

 裁判官・検察官の目立った増加が見られず、弁護士、特に法廷弁護士のみが急激に増加しました。そしてこのような現象が深刻な就職難を発生させています。では、弁護士像は今後変化すべきなのか、それに伴い司法修習制度の目指すものが変化すべきなのか、このあたりが法曹養成の問題を解く重要な鍵になるように思います。

 (坂野:注)弁護士像としては修習の段階法廷活動について一応使えるレベルまでの教育が必要と述べられていますが、法曹人口激増のひずみに対して、直接の対応策については触れられておりません。

(続く)

※記載内容については、全て執筆者の個人的な見解に基づくものであって、当事務所の統一した見解・意見ではありません。

追悼

F・K 様

前略

 お手紙拝見致しました。

 確か、以前の私のブログで、ヨーロッパの街灯の話を書いたときにEメールを頂いて以来だと思います。

 ご主人様のこと、心よりお悔やみ申しあげます。

 プラハのあのお店でお会いした際には、お二人とも本当にお元気で、また仲良くされておられましたね。毎年のように長期間の訪欧をなさることをお聞きして、羨ましいご夫婦でいらっしゃると感じておりました。
 もう一度お会いできれば、人生の先輩でいらっしゃるK・K様に、きっといろいろ教えて頂けるはずだったのに、と思うと残念でなりません。

 いつもそうですが、人は過ぎ去って取り返しがつかなくならないと気がつかないことが余りにも多い、不便な生き物だと感じます。

 先日、「千年女優」というアニメーション映画を見ました。そこでは、引退した女優が主人公なのですが、ある人から「一番大切なものを開ける」鍵を預かり、その鍵をいつか返そうと願いつつ暮らしていくというストーリーを中心にしていました。映画の最後の方で、主人公は、その「一番大切なもの」とは、「自分のその人への想い出」であったということに気付きます。

 ある人への想い出を一番大切なものにして生きるということは、おそらく、私達、不便な生き物である人間がいつも感じてしまう、取り返しのつかないことへの後悔に、わずかながらでも対抗するために、神様がくれた手段の一つではないかと思います。

 私も、プラハの片隅の本当に小さなアンティックショップでお会いした際の、K・K様・F・K様の本当にお幸せそうな姿を一つの想い出として大事にさせて頂こうと思っております。

 いろいろ大変でいらっしゃるでしょうが、お手伝いできることがございましたら、ご連絡下さいませ。
 

ps K・K様が生前私のブログを読んで下さり、「熱血弁護士で男らしくて、いい青年だ」と誉めてくださったそうですが、私は、もう青年というより十分中年の真ん中くらいにさしかかっております。この点だけは、K・K様に訂正して頂けますようお伝えしておいて頂ければ助かります。

                                                                  草々