債務整理の、ちょっといけない問題

 今日午前に、お二人で来所された相談者の方は、司法書士に債務整理を依頼したが、果たしてこれで良かったのだろうかという相談でした。

 具体的には(とはいえある程度抽象化してますが)、某司法書士さんに債務整理をお願いしたところ、殆ど説明もなく「過払い金がこれだけありました。報酬はこれだけ頂戴します。」といわれました。お金が戻ったのは嬉しかったので、いわれるままに報酬を支払った(差し引かれた)のですが、振込料の他に振込手配料名目で意味不明な実費が計上されていたり、訴訟の着手金を支払ったのに準備書面作成料をとられているとか、よくよく見てみるとたくさん報酬を取られている。ちょっと妙に思うのですが、果たしてこんなもんなのでしょうか?

 そもそも、債務整理の状況についても殆ど報告してくれなかったし、実費の明細を見せて欲しいとお願いしても見せてくれないし、取引履歴を見せて欲しいとお願いしても、自分でサラ金からもらってくれと突き放された。これも正しい対応なのでしょうか?

 という、ちょっと困ったケースでした。

 まず、債務整理を受任した場合、弁護士としては債権者(サラ金・信販等)に取引履歴を出してもらいます。その上で、利息制限法に引き直し計算を行い、どれだけ借金が残っているのか、どれだけ過払い金が発生しているのかを明らかにします。

 その上で、計算結果を依頼者の方に示しながら、借金の方があまりにも多く、そのままでは到底返せない状況になっていれば、破産・民事再生を考えます。借金が返せる範囲であれば任意整理ですませることもありますが、そこは、必ず依頼者と相談し、それぞれのメリット・デメリットをきちんと説明した上で、その意向を聞いて決めます。

 また、過払い金が発生していたとしても、過払い金返還請求が物凄い数に上っている現状では、こちらの計算通りに過払い金を返してくれるサラ金など、そうありません。大抵が、何割かの減額や分割払いを申し出てきます。当然その場合は、訴訟という手段がありますが、その場合でも、「計算上はこれだけの過払い金があります。相手方サラ金は○割引なら2ヶ月後に払うといっており、ずいぶん交渉しましたが、これ以上進みません。訴訟にするなら~~のメリット・デメリットがあり、ここで話し合いでまとめるなら~~のメリット・デメリットが考えられます。どうされますか?」

 と必ず、依頼者の意向を聞いて決める必要があります。

 今回の司法書士さんは、取引履歴や計算結果を全く依頼者に示さず勝手に和解しているとのことでしたが、これは委任契約の善管注意義務違反・報告義務違反に該当しかねない行為だと思われます。

 例えば、依頼者の方は、「80万円過払金を取り返しました。良かったですね。」と、問題の司法書士さんにいわれた際に、借金がなくなってお金が戻ったのだから嬉しくてそれで終わってもいいや、と思うかもしれません。

 しかし、利息制限法の計算上では、本来サラ金に請求できた過払い金は実は140万円だったのかもしれません。計算結果を依頼者に知らせないのであれば、そのようなことも出来てしまいます。もちろん、利息制限法引き直し計算とほぼ同じ額で和解しているのであれば、まだ良いのですが、原則としては、きちんと計算上は過払い金は○○万円、~~の事情から和解しようとしている額は△△万円ですが、それでよろしいですかと、合意を取ってから和解すべきでしょう。

 いずれにしても、取引履歴・利息制限法引き直し計算結果を少なくとも明示した上で、話を進める弁護士・司法書士でないと、ちょっと信頼性に黄信号が点っていると考えて良いかと思います。

 さらにいえば、この問題の司法書士さんは、某日刊大手新聞に広告を行い、依頼者の方には「弁護士に頼んだら高いですよ。」といいつつ、実際には、弁護士会法律相談センター基準よりも高額の報酬を取っているようでした。

 お金を出して大々的に広告するのであれば、当然その広告費用は、報酬に跳ね返っているはずです。だってボランティアのためではなく、儲けるために広告をしているのですから。

 よくよく、見定めて依頼しないといけない時代になってきたようですね。

 ps 当職も債務整理サイトを作りました。誠実な処理をお約束します。

    http://forest.idealaw.jp/

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