ニュージーランド ドライブ事情2

 以前も一度書いたように思うが、ニュージーランドのドライブは相当ハイペースで飛ばせる。街中は50キロ制限が多いが、町の出口には堂々と100キロの道路標識が現れる。

 つまり、街中は50キロだけど、町を一歩出れば100キロで良いよ、ということらしい。ニュージーランドの南島は人口も少ないため、大体次の町まで100キロなら、1時間ちょっとで到着するとの目算が立つ。ただところどころ、75だの、55だの速度を制限する標識が突然現れることがある。急カーブがあるので、これくらいに制限せよと意味らしい。

 55と表示されているから、まあ80㎞くらいでカーブに進入しても良いかなと甘く見ると、曲がるのに、苦労することがある。日本だと、スピードを落とさせるため安全速度を殊更に低めに示すようだが、ニュージーランドではそうは問屋が卸さない。

 いろいろ試してみたが、55と書いてある場合、75キロで侵入しても結構怖い場合もある。特に慣れないレンタカーであれば注意が必要だろう。ニュージーランドの道路標識は正直だと思った方が良いようだ。

 あと特殊事情として、道路を家畜が大量に横断する場合がある。羊が延々道路を横切っていたり、牛が何頭も道路を横切るのを待たされる場合もある。大抵は、農家の方が、立って合図してくれることが多かったが、いつもそうとは限らないだろう。カーブを曲がり終えたら目の前に牛がいるというシチュエーションだって十分考えられる。

 私の場合は、鹿を右の牧場から左の山に移す場面に遭遇し、15分くらい待たされた記憶がある。農家の方はこっちを15分も待たせながら、大してすまなさそうな顔もしない。むしろ、なんでこっちが忙しいときに、この道を通るんだ、といわんばかりの態度をとっていた。おそらくこの国ではそれが普通なんだろう。

 ただ、家畜以外の障害は殆ど無い上、自動車自体少ないから、当然、みんな飛ばしている。こっちが100キロでも、追い抜かしていく車が相当ある。 そんなにすれ違うことは多くはないが、対向車だって100キロだ。事故ったら大事故は免れないだろう。その点では十分な注意が必要だ。

 道路脇に、轢かれた小動物の死体をいくつも見たが、100キロで走っているときに飛び出されても多分よけられないだろう。避けようとするとこっちが危険である。事故っても場所によっては通る車も殆ど無いし、隣町まで何十㎞もあることが普通だ。仮に町にたどり着けたとしても、その町に、医者がいる保証はない。

 まだ私は、幸いにもニュージーランドをドライブ中に小動物を轢いてしまったことはない。しかし、万一飛び出されたら、こっちの身を守るためは、「申し訳ない!ごめん!」と神に祈るくらいしかできないだろう。

 とはいえ、ニュージーランドでは、荘厳な自然が満喫できる素晴らしいドライブが可能だ。機会がある方は是非チャレンジされることをオススメしたい。