日弁連法曹人口問題検討会を傍聴しました。

 日弁連が、昨年法曹人口に関する緊急提言を行ってから、日弁連内部で法曹人口(主として弁護士人口と思われますが) に関する検討がなされていると聞いていました。

 私は、大阪弁護士会の常議員会で、その進行と内容について何度か質問させていただいたことがあるのですが、畑会長もお忙しいためか、大阪弁護士会の常議員会での質問では、なかなかその検討の様子が分かりません。

 そこで、やむを得ず、どう検討会の大阪弁護士会から委員として参加しておられる小谷寛子先生に、せめて傍聴できないのかとお願いし、傍聴の申し込みをのきっかけを作っていただきました。

 傍聴の条件は、おおむね、委員会内で賛否をとって許可するかどうか決める(多分許可はされる)、配付資料は見せるが、回収する(つまり資料はくれない)、会議内で討論された内容については秘密を守る、当然交通費は自己負担、というものでした。

 本日、会議を傍聴させていただきましたが、委員の先生方が、極めて真剣に且つ熱心に討論されているので、素晴らしいと思いました。とはいえ、私の考えと違う先生もいらっしゃるようでしたので、正直言って、傍聴者として発言権が認められないのが残念でした。

 真剣な議論がなされていること以外に、討論内容に触れない範囲で、私の印象を述べると次のようなものでした。

① 法曹人口問題は、若手にとってこそ重要なのに、若手の委員の先生の比率が少ないように思われる。

② 配付資料は、法曹人口を真剣に考える弁護士全てに参考になるものが含まれているので、会員限定でも良いので公表した方が良いように思われる。

③ 何より決めようとしている内容が(諮問に対する答申ではありますが)、弁護士全体にとって影響しかねない内容なので、できれば広く議論する機会があった方が良いように思われる。

④ 合格者の質に配慮しながら2010年に司法試験合格者3000名を目指すという、あくまで努力目標を定めた閣議決定を、努力目標ではなく3000名が閣議決定であると解釈して議論している印象がある。

⑤ 法曹人口5万人に達してから、その後をどうするか(増員方向か、維持方向か、減員方向か)を考えようとしているような印象を受ける。(私の記憶では、法曹人口5万人という閣議決定はないはずですが・・・。)

⑥ せっかく答申を出しても、もし今回の日弁連会長選挙で執行部の方針が変更された場合は、答申自体の意味が減殺される危険性を孕んだものとして、認識されているような印象を受けたこと。

 自腹を切って、東京まで傍聴に行くのは、仕事にも財布にも結構応えるので、もう傍聴できないかもしれないのですが、委員会においては委員の構成と、日弁連執行部の構成が、いかに重要なものであるかということは少しは理解できました。

 今回傍聴の機会を作って下さった小谷寛子先生、傍聴を許可して下さった委員の先生方、貴重な体験を本当に有難うございました。

 それにしても・・・・・、政治的な問題は難しいものですね。

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