法律相談担当者としての実感

 今日は、大阪弁護士会のなんば法律相談センターでの、サラ金相談(午前の部)に行ってきた。

 相談件数は4件、守秘義務があって内容は話せないが、サラ金相談でありながらサラ金案件の相談は0件だった。サラ金案件については、大手事務所や司法書士事務所の広告攻勢で、弁護士会への相談が相当減っていることが窺われた。

 先日は、大阪弁護士会の千里法律相談センターの相談に割り当てられていたが、予約が一件もないということで、当日キャンセルの連絡が入った。そのために仕事の予定を空けていたのだが、ぽかんと時間が空いてしまい、大学での講義のための予習などに時間を割くことができた。千里の法律相談センターからキャンセルされたことは複数ある。

 私の実感としていうならば、法律相談の件数は減少傾向にあるのではないだろうか。確かに地方自治体の無料法律相談は、そこそこ盛況だ。しかし、法律相談とは言えない身の上相談や、(悪い意味での)リピーターの相談も多く混じっており、本当に弁護士のニーズが拡大しつつあるという実感は、私の担当する数少ない法律相談の体験からすれば、どうしても持てない。

 しかし、弁護士会執行部は言う。「ニーズはある。法の支配実現のために、弁護士数はもっと必要だ。」

 だが、本当なのだろうか。

 本当に国民の皆様が、弁護士に依頼したくても依頼できない状況がそんなにあるのだろうか。別に弁護士に依頼しない話し合いの解決であっても、自分たちで解決できる案件は、弁護士にとってはニーズだが、国民の方にとっては、弁護士に依頼すべき案件ではないのではないか。

 そのような案件ですら、弁護士により解決されるべき案件だと勝手に決めつけて、弁護士会執行部の「法の支配の実現」という旗振りの下、解決のためと称してしゃしゃり出ようとするのは、それこそ、おせっかい、大きなお世話の類に他ならないように思われる。

 本当の国民のニーズとは何か、弁護士の視点ではなく、真剣に国民の皆様に聞いてみる必要があるのではないだろうか。

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