冗談で言っていたら・・・・・

 衆議院選挙の公示がなされ、夏の選挙戦が戦われている。

 日本国民一人あたりの借金額は、(生まれたばかりの赤ん坊を含めて)700万円弱になっているそうだ。超高齢化社会で、かつ、出生率の低下も止まらない。私はあまり歴史は得意ではないが、人口が減少しながらなお繁栄していった国は、有史以来ほとんど無いのではなかろうか。人口減少問題だけではなく、今の若者の世代は、このままでは、現行世代が積み上げた借金の責任も負わされることになる。

 今の日本が、極めて憂慮すべき事態になっていることは誰もが認めるところだろう。

 うちの事務所のパートナー弁護士で、食事の際の談笑中に、日本は、どうしてこんな借金まみれになって、しかも、子供に対する支援が薄い国になったのだろうという話になった。

 何となく頷ける意見としては、政治家は選挙に当選しなければならないから、票を得るために選挙権のある人間を優遇してきたからではないか、そのツケが回って来たのではないか、という意見があった。確かに、選挙の時に福祉を語る場合、最近まで高齢者の福祉が中心だったようにも思う。

 高齢者は選挙権を持ち、子供は選挙権を持たない。 どちらを喜ばせれば票が集まるかは明らかだ。

 そうだとしたら、子供にも選挙権を与えて親が行使したら、候補者も子供のことを考えるだろうから、これまでの問題点が改善されるのではないかという意見もあった。確かにそれは良い案だな、と冗談で言っていたところ、実は冗談ではなく学者さんもそのような意見を言っているらしいことが、分かった。

 本日(8月20日)の日経新聞、25面「経済教室」の欄に、一橋大学の青木玲子教授が書かれた論文によると、子供にも選挙権を与えて親が行使する方法については、既に北大の金子勇教授、阪大の大竹文雄教授らが提唱しており、海外では1986年にハンガリー生まれのアメリカの人口学者、ピーター・デーメニが提案しているそうである。

 確かに、デーメニの方法は、青木教授も認めるように相当ラジカルな方法である。しかし、将来の世代に現行世代の借金のツケを残さないのであればともかく、そうでない現状を見る限り、借金を押しつけられる側の世代にも(親を通しての間接的な意見になるが)意見を述べるチャンスを与えるべきことは、当然のようにも思われる。

 自分の当選よりも、この国のことを真剣に考えて実行してくれる候補者に、投票することが出来ればベストなんだけれどね・・・・・。

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