5教科7科目でも(共通一次)

 共通一次試験というと歳がばれるのですが、私が高校生の頃は共通一次を受験しなければ国公立大学を受験することはできませんでした。

 しかも私が受験していた頃の共通一次試験は、5教科7科目が必須とされていましたので、英語・国語・社会一科目の合計3科目だけで足りる、私立文系大学の受験生が羨ましく思えたこともありました。

 共通一次の5教科7科目とは、

 英語                          200点

 数学Ⅰ                        200点

 国語(現代国語・古文・漢文)           200点

 理科(物理Ⅰ・化学Ⅰ・生物Ⅰ・地学Ⅰなどより2科目選択) 100点×2

 社会(政治経済・倫理社会・日本史・世界史・地理Aなどより2科目) 100点×2

 合計1000点満点

というもので、平均点は600~630点くらいだったと思います。

 私は、理科の科目として物理Ⅰ・地学Ⅰを選択し、社会の科目としては倫理社会・日本史を選択していました。

 理科科目選択の理由は、単純でした。化学Ⅰに関しては、モル・アボガドロ数という概念がよく分からなかったのと、生物Ⅰに関しては遺伝は面白かったものの、TCA回路あたりがよく分からなかったので、消去法的に物理Ⅰと地学Ⅰを選択することになっただけなのです。

 しかし、物理は自然現象を物理法則で説明するということが面白く、非常に興味を持って勉強できました。地学についても星を眺めることが好きだったので結構抵抗がなく取り組めました。ただ、ひとつの問題は、私の通っていた高校では、地学を教えてくれる先生が一人もいなかったということでした。

 仕方なく地学は、予備校の夏期集中講習を受けて、その後、独学で勉強することになりました。地学は、私にとっては非常に面白かったものですから、そんなに苦にもなりませんでした。ですが、模擬試験では学校内で地学選択者が私しかおらず、いつ受験しても、地学に関しては校内順位1位/1人中、校内偏差値50、という時期が続いたように思います。

 遠い受験時代の勉強なので、当時の記憶は殆ど忘却の彼方にかすんではいるのですが、ときおりTVなどで、物理に関係する番組や、地学に関係する番組に接すると、当時の知識が蘇ってきて、結構興味深く見ることができますし、理解も早いように思うのです。普通だとあっさり聞き流して分かったつもりになってしまう番組でも、違って感じられるのです。

  共通一次は、5教科7科目と受験生にとっては結構大変な負担ですし、マークシート方式なので画一的な人間を作ってしまうのではないかという批判もあったようです。しかし、その批判の一方で、若者に敢えて多くの科目を勉強させ、将来にわたって多方面に興味を持つ可能性を残すという、別の効果があったのかもしれません。

 受験地獄、受験生の過重な負担などと、いろいろ言われますが、私はゆとり教育には反対で、若者に可能性を残す意味でも、多少辛くても、若者にはできるだけ幅広く多くのことを勉強させた方がよいように思っています。

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