裁判とTVの裏話

 TVで良く写されるのが、○○会社が提訴されましたとか、○○市長が提訴されましたということで、弁護士が何人か裁判所に歩いて入ってきて、訴状を受付係に提出し、担当書記官がチェックをする、つまり提訴の場面です。

 刑事裁判でこのようなことはないでしょうが、民事裁判で話題性のありそうな裁判の場合は、取材陣から「こっちの方から歩いてきて下さい」と、裁判所に歩いて入っていくシーンに注文をつけられたりします。私の経験では、裁判所からわざわざ外に出て、弁護団で集合した上で、歩いて裁判所に入っていくシーンを撮ったこともあります。意外にみんな恥ずかしがり屋で、後ろの方に並びたがるのが、妙に面白かったように思います。私は、多分一番後ろの方から歩きました。

 また話題性の高い訴訟の場合、訴状を提出した時点で裁判所書記官から形式的なミスを指摘されて訴状の出し直しとなっては困るので、事前に大まかに目を通しておいてもらうこともあるようです。

 私達の場合、押しつけあったあげく、訴状提出は女性の方がTVに映えるだろうということで、女性の弁護団員が裁判所書記官に訴状を提出する役目になりました。

 あと、良く弁護団事件であるのが、「完全勝訴」とか「不当判決」という垂れ幕を持って、弁護士が法廷から取材陣と弁護団関係者の方に向かって走り出てくるシーンです。

 これもどこで取材陣と関係者が待ちかまえているかの打ち合わせが先にあります。ただ、判決はどうなるか事前には分からないので、予想される内容「完全勝訴」・「一部勝訴」・「不当判決」などの内容の垂れ幕を準備し、それぞれ担当の若手弁護士に渡して待機させておくのだそうです。一人に沢山渡しておくと間違いがあっては困るので、そのようにやっていると聞きました。結構緊張するものだそうです。

 若手弁護士は、傍聴席の後ろの方で判決の内容を聞き、弁護団の指示を受けて、法廷を飛び出し、関係者の方に走り出すという案配です。走りながら、上下を間違わないように確認するとかしないとか・・・・。

 当たり前のようにTVで見られる光景ですが、そのウラにはいろいろなことがあるのです。

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