ぐんじょう色

 普段何気なく使っている言葉でも、実は深い意味があったのだと突然気付くことがたまにあります。

 先日、ぐんじょう色のことを「群青色」と漢字で書くと知りました。小さい頃、私の12色の色鉛筆セットの中には入っていませんでしたが、同級生が持っていた色鉛筆の24色セットなどで、「ぐんじょう色」という色があることは知っていましたし、大体の色調も解ってはいました。

 昔の記憶から、なんとなく、「ぐんじょう色とは、こんな色だろうな」「こういう色をぐんじょう色と呼ぶのだろうな」と分かってはいたのですが、「群青色」と書くと聞いて、群青色の意味が初めてよく理解できたような気がします。

 その名の通り、ぐんじょう色は、青が群れている色なのでしょう。青が集まって深い青となる。その色です。

 しかし、おそらく、その青い色の集まりは魚の群れのように乱雑なものではなく、整然とした集まりにちがいありません。物理的にはともかく、感覚的に言えば、微かな空の青さが整然と幾重にも重なり、漆黒の宇宙に向かって垂直に積み重なっていく過程があるのではないかと私には思えます。

 そして、その微かな青の集まりにより、次第に深まってゆく青い色達のうち、ほんの一部分だけが群青色として呼ばれるに値する色になれるような気がします。

 誰が表現したのか知りませんが、群青色とは、素晴らしい表現です。

 ひらがなで表現しても、その素晴らしさは気づけないでしょう。色鉛筆にもできれば漢字で「群青色」と記載して欲しいなと思いました。 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です