増税と無駄遣い

 今日の日経新聞朝刊に、世界経済フォーラムが発表した「2008年版世界競争力報告」の記事が載っていました。

 それによると、調査対象134カ国中、日本は

 生産工程で第1位、

 技術革新能力・企業の研究開発投資でそれぞれ第2位だそうです。

 日本の民間企業は本当によく頑張っているようです。

 ところが、

 国家の財政収支は第110位(財政収支が悪いという意味)、

 政府の無駄遣い第108位(無駄遣いが多いという意味) 、

 農業政策のコスト第130位(コストが高いという意味)、

 となっており、国際的に見て国家・政府の評価が非常に低いことが分かります。

 つまり、無理矢理に一般の家庭に例えると、こうなると思います。

 日本さん(仮名)の家庭では、働いているお父さん・お母さんは有能だし非常に頑張って町内1・2の働き者です。しかし、家族(国民)のために働くべきメイドさんたち(政府・政治家)が、よその家のメイドさんに比べてひどい無駄遣いばかりやっているので、家計の収支(国家の収支)は火の車、食料(農業政策のコスト)も無駄に高い物を買ってくる、という状態にあるようです。

 それなのに、メイドさんは自分の問題点を改めることもせずに、家庭を維持するためにお金(税金)がもっと必要と考えており、お金を家族(国民)にもっと要求することばかり(増税)を考えているようです。中には、お父さんお母さんのお金をちょろまかしたりするどうしようもない悪徳メイドもいるようです(年金記録改ざん問題参照)。

 こんなメイドさんなら、ホントはクビにして、もっと無駄遣いせずに堅実に家計を守ってくれるメイドさんを雇うべきなのでしょう。少なくともメイドさんが態度を改めない限り、お金を出すことはできないでしょうね。

 メイドさん(政府・政治家)は、無駄遣いをやめてから、増税の議論をしてもらいたいものです。

日本の法律家人口は多すぎる!?

 司法試験合格者3000人にするようにという主張をされる方が、よく根拠とされるのは、日本の法曹人口(弁護士・裁判官・検察官~狭義の法曹)は諸外国に対して少なすぎるという点です。

 日本の法曹人口が少なすぎると主張される方は、一般の方々に充実した法関連サービスを提供するという目的からみれば、他の先進国と比べて法曹(以下、特に弁護士に話を限ります)が少なすぎる、せめてフランス並みにしなくては、という主張をされているようです。

 ところが、フランスを始め、いわゆる先進国では、弁護士が日本の、いわゆる「隣接士業(司法書士・行政書士・税理士・弁理士・社会保険労務士・土地家屋調査士など)」の仕事を受け持っているのが普通です。日本では企業にも法務部があり、法務部員の方が法律的業務に従事していますが、アメリカなどでは法務部の代わりに弁護士がその業務を担当していることが普通だといわれています。

 したがって、いわゆる先進国の法曹(特に弁護士)のやっている仕事は、司法書士業・行政書士業・税理士業・弁理士業・社会保険労務士業・土地家屋調査士業等の他・企業法務部の仕事も入っています。法関連サービスのほぼ全てに弁護士が関与しており、一般の方に法的サービスを提供しているのです。

 誤解を恐れずに簡単にして、日本の仕事に当てはめていうと、先進国の弁護士には、つぎのような種類があるということになります。

①弁護士的弁護士(日本の弁護士のような仕事をする弁護士)

②司法書士的弁護士(日本の司法書士的な仕事をする弁護士)

③行政書士的弁護士(日本の行政書士的な仕事をする弁護士)

④税理士的弁護士(日本の税理士的な仕事をする弁護士)

⑤弁理士的弁護士(日本の弁理士的な仕事をする弁護士)

⑥社会保険労務士的弁護士(日本の社労士的な仕事をする弁護士)

⑦土地家屋調査士的弁護士など(日本のその他の法律関連士業的な仕事をする弁護士)

⑧企業法務部的弁護士(日本の企業法務部的な仕事をする弁護士)

 以上を前提に、日本の弁護士人口が諸外国と比べて多いか少ないかを比較しようとすれば、

A:比較しようとする先進国の弁護士から②~⑧に従事している弁護士の数を引いて日本の弁護士と比較するか、

B:日本の弁護士数に②~⑧に従事している人の数を加えて計算する、

のが正しいはずです。

 ところが、日本の法律家(弁護士)が不足していると主張する人たちの計算方法は、日本の弁護士は①だけを計算し、諸外国の弁護士は①~⑧を全て合計して計算して、その数を比較しているのです。

今後弁護士を増やす代わりに②~⑧の仕事全てを弁護士にやらせるのであれば別ですが、そうでない現状では、明らかに意図的に計算方法を歪めているとしか思えません。

 諸外国の弁護士のうち②~⑧の数を算定するのは困難なので、Bの計算方法をとったとすれば、以前このブログで紹介させて頂いた「司法の崩壊」を書かれた河井克行衆議院議員の計算では、日本の法曹人口は既に約27万人にも上っており、先進国ではアメリカに次いで最も法律家の多い国になるそうです。

 それでも日本の法律家人口は少なすぎるのでしょうか?

氷の鳴き声

 もう15年も前のことですが、11月の末頃(だったと思います)に北海道へ旅に出たことがあります。

 北海道ですから、11月の末にはもう雪が積もっています。私はもっと以前から夏の北海道は何度かバイクで走っていましたが、冬の北海道は初めてでした。

 今はもうかなり有名になってしまいましたが、私が北海道をバイクで走っている頃は、まだオンネトーという湖は、それほど有名ではなく、北海道3大秘湖の一つと呼ばれていました。オンネトーは、コバルトブルーの湖水が非常に美しく、湖水に沈んだ木々と湖水のコントラストが幻想的な雰囲気を持っていました(今は相当観光地化されているようで、そのような雰囲気があるかどうかは知りません)。

 そのときは、冬のオンネトーはどうだろうかと思って、レンタカーで行ってみたのです。

 非常に寒かったせいか、湖畔には誰もいませんでした。湖では、岸から中心に向けて氷が張りつつあるところで、岸から40~50mくらいまでは、もう氷に覆われていたように思います。

 本当に何気なしに、石を拾って湖に向かって投げてみました。すると、石は湖の上に張りつつある氷の上に落ち、何度も氷の上を跳ねながら、滑っていきました。

 その音が、なかなか素敵だったのです。

 キョキョキョキョ・・・・・というような感じの音で、氷が鳥に化けて鳴いているような、そんな印象を受けました。しかも、石で水切りをした場合のように、石が氷の上を跳ねる間隔がだんだん短くなるので、それに連れて鳴き声の間隔も短くなり、なおさら鳥が鳴いているように聞こえたことを覚えています。

 調子に乗って、今度はいくつかの石を一緒に投げてみると、湖の氷は何羽もの鳥が一斉に鳴きだしたかのような、音を立てました。

 氷の鳴き声が収まると、湖は、ふうっと静かになります。時折ドッと吹き抜ける風の音しか聞こえません。誰かにこの氷の鳴き声を聞かせたいような気もしますが、なぜだか誰にも教えたくないような気もします。

 氷が張りつつあるときは、あのような氷の鳴き声がいつも聞けるのか、それともたまたま、湖面の氷が良い状態のときに私が湖を訪れたのか分かりません。

  ただ、もう一度あの氷の鳴き声を聞いてみたいような気がするときが、たまにあります。

新61期司法修習生就職状況

 月刊大阪弁護士会9月号に、新61期の司法修習生就職状況が掲載されています(p38)。

 それによると、日弁連調査によると7月11日~8月1日にかけて調査した結果では、就職未定率17%(約5.8人に一人が未定)で、300名以上が就職が内定していないとのことだそうです。6月段階の調査では就職未定率20%であったので、わずかな改善しか見られません。ちなみに、新60期の就職に関していえば、昨年同時期の調査で就職未定率8%(約12.5人に一人が未定)だったそうなので、わずか1年でさらに就職難は進展したということになるようです。

 大阪弁護士会の独自調査でも、7月14日段階で、大阪修習の新61期215名に対する調査で回答者177名中、就職内定者114名で全体の64%です。弁護士志望者のうち就職未定者は35名で、回答者中約20%が就職できずにいるそうです。

 先日の9月4日付、私のブログを見ればお分かりの通り、8月6日の臨時総会で新61期の合格者数を容認する8号議案に賛成された方は1100人以上いたはずです。その中で経営者弁護士の数も相当数あるはずです。どうしてその方達は、新61期を採用してあげないのでしょうか。

 堂々と(現状の合格者数を容認する内容の)8号議案に賛成された先生方が、就職に困っている新61期の修習生がいるのに、採用してあげないのであれば、無責任のそしりを免れないでしょう。

 執行部は、委任状の集計などにより、どなたが8号議案に賛成されたかご存じのはずですから、就職に困っている修習生に対し、その氏名を開示してあげたらどうですか?

日本経済新聞「法務インサイド」

 本日の日経新聞朝刊の、「法務インサイド」の記事に、「弁護士就職波高し」との記事が掲載されていました。

 日経新聞の分析では、就職未定者は、新旧61期を併せて170名前後ではないかとされています。日弁連は懸命に法律事務所に採用を呼びかけているそうですが、今年は無理との返答も多いようです。また、地方に活路を見出す途も狭まりつつあるそうです。
 昨年のほぼ同時期に、同じく日経新聞朝刊「法務インサイド」で、「弁護士飽和に危機感」との記事を、今回の記事を書かれた赤羽雅浩記者が書かれていましたが、そのときはまだ、ある新人が先輩弁護士から地方スタートを勧められたというように、地方はまだまだ需要があるとの前提で書かれていたようでした。
 この記事をもとにすれば、わずか1年で、地方の需要も満たされつつあるということになりそうです。

 弁護士数は2000年時点で17126人でしたが、2008年3月には25062人、2008年中に弁護士登録すると見込まれる新旧61期の2100~2300人を合計すると、2008年中には、27000人は超えるでしょう。法曹不足が盛んにいわれていた1990年に比べればほぼ2倍以上の弁護士数になっています。今、司法試験合格者を年間3000人合格者にすれば、5年以内に、1990年当時の弁護士数の3倍にまで弁護士が増加します。ちなみに、1990年から2000年までの10年間で弁護士数は3326人増加しました。つまり、年間司法試験合格者3000人ということになれば、これまで10年間近くかかって増加した弁護士数とほぼ同じくらいの弁護士数が、毎年毎年世の中に出てくることになります。

 弁護士に依頼してまで解決しなければならない法律問題が、1990年頃に比べて、2倍になっているでしょうか?ここ5年以内に法律問題が1990年当時の3倍にふくれあがっていくと思われますか?司法統計によると、ここ数年の民事事件数は、減少ないし横ばい状態です。

 何度も言いますが、もし弁護士の需要があるのであれば、新人弁護士は引く手あまたであり、就職難などあり得ません。新人弁護士の就職難、すなわち弁護士過剰なのです。

 このように、完全に需要を見誤ったまま進行する法曹人口増加の計画を、いつまで続けるつもりなのでしょうか。

ニュージーランド ドライブ事情

 今年のGW(ゴールデンウイーク)に、マイレージがたまったこともあり、ニュージーランド(NZ)に行く機会がありました。

 季節が北半球とは全く逆なので、GWにも関わらず晩秋に近い気候でした。NZはイギリス連邦ということもあり、日本と同じく自動車は右ハンドル左側通行です。ですから、日本の交通事情に完全に慣れてしまった私でも、大して苦労せずにレンタカーを運転することができたのです。

 私の借りたレンタカーはトヨタのカムリになりました。既に13万キロも走行している車で、キレイに洗車されていないだけでなく、ハンドルを切るとキコキコ音がする、という凄いものでした。最初は大丈夫かなと思ったものですが、しかし、やはりトヨタ車です。基本的な走行には全く問題がありませんでした。街中でもトヨタ車とホンダ車は結構見ました。おそらく日本からもかなり中古車が輸入されているのだと思います。

 さて、NZでのドライブですが、町中では40キロ制限が多いようでしたが、さすがに人口が少ないためか郊外では一般道でも90~100キロ制限が多いようです。ただ、南に行けば行くだけ寒くなるので、早朝は道路の凍結に気をつける必要がありました。日本でいえば11月の気候ですから、当然ですね。

 また、交差点でロータリーが設置されていることが多く、これだけは少し慣れないと気を遣います。といっても私が走ったところは自動車自体が少なかったので、他の自動車が通り過ぎるのを待ってから、ゆっくりとロータリーにはいることも可能でした。

 道路はとても空いていて、実に気持ちよくドライブが楽しめます。私はクイーンズタウンからテアナウ、ミルフォードサウンドまで、走ってまた戻ってくるコースを走りましたが、美しい自然と走りやすい道路だったため、ドライブが楽しくて仕方がありませんでした。ドライブがお好きな方は、機会があれば是非一度NZでドライブされることをお勧めします(国際免許証が必要ですが、免許試験場で申請すれば交付してもらえます)。

 幸い私がドライブしているときには野生動物の飛び出しはなかったのですが、おそらく夜のうちに事故が起きていたのでしょう。野生動物が道路で轢かれてしまっている姿が日本より多く目に付いたのは、私自身車を利用していながら身勝手ではありますが、少し残念に思いました。

バイクの思い出~その5

 当時の軽自動車の排気量が550ccでしたから、私のバイクのエンジンは、そのころの軽自動車のエンジンの2倍の排気量を持っていたことになります。

 それでいながら、車重は230㎏くらいだったと思いますから、これまで体験したことがないくらいの異次元感覚ともいえる加速感がありました。誰かが、脳みそが片寄るくらいの加速だと表現していましたが、フル加速すると冗談抜きでそれくらいの感じは、確かにしました。

 しかし、フロントの車輪の大きさが大きめのサイズ(19インチだったと思います)であったことから、直進安定性は高いものの、カーブでは、なかなか曲がってくれないバイクでした。また、ブレーキも容量不足で思ったほど効いてくれないときもありました。曲がらない・止まらない、しかし加速は相当凄い、ということで、スタイルや希少価値からとても気に入ってはいましたが、決して乗りやすいバイクではなかったように思います。

 ただ、北海道の殆ど車のいないワインディングロードを、法定速度+αで飛ばしていくときには、しっかりとバイクをホールドしつつ後輪加重で曲げていくと、思ったよりも高い旋回性を得られるようにも思いました。しかし、そこから更にスピードを上げていくと、フレームがよれるのが感じられ、それ以上の速度は危なく感じられる場面もありました。

 そういう意味ではじゃじゃ馬ながら、限界が分かる良いバイクだったのかもしれません。

 私は、飛ばす場合でも限界100%ぎりぎりまで飛ばすことはなく、飛ばしているときでも85%くらいにして若干余裕を持たせているつもりでした。ですから、幸いなことに走行中に限界を超えて転倒したことは一度もありません(「立ちごけ」はありますが)。 

私はこのバイクであちこちにツーリングに行くことになります。

(続く・・・・かも)