これは、衆議院議員で前法務副大臣であった、河井克行議員が、法曹の粗製濫造状況に異を唱える告発の書です。
途中、日弁連・弁護士に関して現状把握がきちんとなされず、誤解されている部分も多少ありますが、それでも、実際に河井議員ご自身で見分された法科大学院の現状と問題点の指摘は、極めて生々しい現実を伝えています。
司法改革の現実の問題点、法科大学院の大失敗について、建前ではなく本音で発言して下さる政治家の方がようやく出て下さったかという思いです。
日弁連・大阪弁護士会執行部は直ちにこの本を買って、読むべきです。そして、司法改悪の弊害は今、執行部にいるお偉方に対してではなく、今後、弁護士を長期間続ける若手がツケを回され、最終的には国民の方の不利益になるという現状を認識すべきです。もう建前は要りません。建前を振り回して議論している時間がないくらい事態は切迫しています。
先にも書きましたが、河井議員の弁護士の仕事に対する認識には若干事実と異なる面もあると思います。しかし、河井議員の本書における結論部分である「三つの提言」に、私は賛成です。
新聞報道では決して明らかにされない、司法制度改革に関する問題点に鋭く迫った本だと思いますし、読まれれば新聞やマスコミが、以下に真実を伝えてくれていないのかということも、併せて解ると思います。
PHP研究所発行 本体1100円