9月1日付の日弁連ニュース(各弁護士にFAXで送信されてくるもの)に、『法曹人口問題に関する緊急提言に関する、市民の反応は?』と題する記事がありました。
市民の反応として、宮本・中川・フット・井出という方の発言が載せられていました。日弁連はこの方達が市民の代表と考えているようです。それでは、一体どういう方だろうと思って、日弁連ホームページを探してみると、日弁連市民会議というものが見つかりました。
その名簿から、
宮本一子委員は、財団法人日本消費者協会理事、社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会常任顧問
中川英彦委員は、前京都大学大学院教授、駿河台大学法科大学院講師、
ダニエル・フット委員は、東京大学法学政治学研究科教授 、
井出委員は、株式会社朝日新聞社(大阪本社)社会エディター代理兼地域報道エディター代理、
という方々のようです。
このような方々の発言が、日弁連にとっての市民の声だ、という形になっているようなのです。
私は詳しくは知りませんが、市民会議の委員の方は、一般の市民というよりは、肩書きを見る限りどう見ても大手新聞社社員や大学教授などいわゆる有識者・上流階級といわれる方々のように思えます。
市民会議が想定している市民とは、大学教授や一流会社社員だけなのでしょうか。ちょっと違う気がします。このような市民会議での発言を市民の声だとして、公開するのは本当の市民の声を聞けていない証拠ではないかとさえ思えてしまいます。
8月21日のブログにも書きましたが、企業の生の声は、法曹の質の低下を危惧し、法曹人口増員に非常に懐疑的なようです。このような調査は当然日弁連も知っているはずです。
しかし、それを無視して、「市民の反応」と題した発言を載せる日弁連ニュースは、何らかの意図を持っているとしか思えません。その意味で、この日弁連ニュースは謎が隠されているに違いありません。