法曹人口問題に関する決議案~その5

 大阪弁護士会の、法曹人口問題に関する決議案について、毎日新聞と朝日新聞が報道しました。

☆毎日新聞

法曹人口:司法試験合格者抑制 大阪弁護士会、真っ二つ 政府への意見表明
http://mainichi.jp/kansai/archive/news/2008/07/27/20080727ddn001040003000c.html

☆朝日新聞

大阪弁護士会、司法試験合格者2千人に抑制要求へ

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200807250097.html

 内容的には毎日新聞の方が、より正確だと思いますが、朝日新聞の記事でも誤りではないようです。

 これまで、法曹人口問題に関する記事に関しては、評価的な内容を織り込んだり、「識者の見解」という記事をつけたりして、増員が正しいという結論に誘導してしまおうというものが多かったのですが、今回の毎日新聞・朝日新聞の記事は概ね公平に書かれていて好感が持てます。

 さて、本日、大阪弁護士会役員室で、臨時総会までの段取りについて話し合いがありました。委任状をだぶって提出される方もいるようですし、規定によると総会の出席者一人につき5名分までしか委任状を行使できませんので、臨時総会前までに、どの人にどの委任状を行使してもらうのか割付ておく必要があり、その作業を、毎日届いた分だけ行いたいというのが執行部の意向でした。

 確かに作業量から考えると、執行部のいわれる段取りが必要なのかもしれませんが、この方式ですと、結局何通委任状が集まり、何人出席を表明しているのかについて、事前に執行部にばれてしまうことになります。

 ということは、会派を使った動員が可能な執行部とすれば、9号議案について賛成する議決権数を事前に非常に正確な数字で把握することが可能になるため、もし執行部案(8号議案)が負けそうな場合は会派の力をフルに使って、直前に執行部賛成派を増やすことができる余地があるということになりそうです。

 逆に、会員提案側は、組織を使った人員の動員ができないため、執行部がどれだけの8号議案賛成者を集めたか正確に把握できたとしても、その時点ではもう打つ手が無い状態であると思われます。

 会員アンケートを極めて忠実に反映した内容と思われる、修正前の執行部案(9号議案)ですら、会派の事前の指示によって常議員会で圧倒的多数で否決することができたくらいですから、執行部が本気になって会派を用いて人員を動員すれば、その威力は物凄いものがあります。

 しかし、この問題は、国民の司法への信頼という問題と私達一人一人の将来に関わる問題です。真剣に考えて、正しいと思うのであれば、会派の圧力に屈することなく自分が正しいと信じた方を支持すべきです。弁護士会内の民主的手続が正常に機能しているのか、弁護士一人一人の良心はどうなのか、まで今回の臨時総会では問われているような気がします。

 ちなみに、執行部もどれだけの方が臨時総会に出席されるか予測が付かないため、通常200名程度の着席数しか準備しないのですが、今回は500名程度の着席が可能なように準備する見込みだそうです。

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