大荒れ!~法曹人口問題に関する決議案~その2

 (昨日の続きになります)

 臨時の法曹人口問題会議の議題は、執行部が一度提出した決議案の維持をあきらめ、急遽決議案を修正・差し替えするということでした。

 まだ、執行部が決議案の修正・差し替えを常議員会に提出した段階に過ぎず、傍聴可能な常議員会の審査にもかかっていない状態なので、新しい執行部の決議案は、公表できませんが、相当程度後退した決議案になる模様です。

 執行部の説明によると、常議員会には、この問題に関し既に多くの質問が事前に書面で寄せられていることや、諸般の事情(?)を考慮して変更したと説明されていました。私は、担当副会長のお一人に、具体的に、どこからどのような圧力がかけられたのか教えて下さいと申し入れましたが、結局、抵抗勢力の具体的なお話しは頂けませんでした。

 ただ、常議員会に寄せられた事前質問に関して、資料を頂き拝見したところ、やはり、日弁連との連携をどう考えるのか、決議案は日弁連を擁護するものか、日弁連と対決するものかといった、日弁連との関係を危惧する質問が多くありました。

 私個人としては、大阪弁護士会の意見表明に関する決議なのに、どうして日弁連の顔色をうかがわなければならないのか不思議でしょうがありません。日弁連と大阪弁護士会は制度的には独立しているはずではないのでしょうか。いつから大阪弁護士会は日弁連の下部組織になりさがったのでしょうか?日弁連として全単位会が一致して事に当たるべきだとお考えなのであれば、他の単位会の反対決議の動きに対して、「大阪弁護士会もそうするから、日弁連として一致して行動しよう。」という説得を、なぜ行おうとしなかったのでしょうか。

 個人的な意見ですが、大阪弁護士会執行部におられる先生方、常議員会に出ておられるベテランの先生方に関していえば、弁護士としては極めて優秀な方々ばかりであり、私は同業の弁護士として、そのような方々を弁護士としては非常に尊敬しております。

 しかし、こと弁護士会の政治的局面に関していわせて頂ければ、経済的基盤を確立されているベテランの先生方は、結局、苦しい若手の現状・司法全体の危機よりも日弁連執行部と大阪弁護士会執行部との関係を大事にしようとしているように思えてなりません。

 現在大阪から日弁連会長を出している関係上、大阪弁護士会の決議が日弁連決議と異なる場合、現在の日弁連会長の足を引っ張るのではないか、そうなると日弁連に対する大阪弁護士会の影響力がなくなるのではないか、との声もあるようです。しかし、現在でも、全弁護士の1割以上が所属する大阪弁護士会の影響力がなくなることは考えられません。また、日弁連と大阪弁護士会との連携が残っても、次代を担う若手が死屍累々、司法自体が信頼を失ってしまう、といった状況では、弁護士会全体の危機となるはずです。それなのに、日弁連執行部との関係を大事に、大事に、大阪弁護士会会員の意見よりも大事にしている、としか考えられないお偉方がいるのは何故なのでしょうか。

 これは私の邪推ですが、大阪弁護士会のお偉方のうち幾人かの方は、いつか自分が日弁連会長になりたい、日弁連執行部に入りたい、という野望をもっており、そのために「日弁連執行部にヘイコラごまをすっておこう。」とお考えなのではないでしょうか。もし万一そうであれば、順序が逆です。日弁連会長になりたいから立候補する、日弁連執行部に入りたいから入る、というのではなく、弁護士みんなのために働きたいと心の底からお考えの方が、その手段として就任されるべきはずの地位だと思います。

 かつて、出世を気にして、思い切った判決をかけない裁判官を、(上のことばかり気にしているので)ヒラメ判事と揶揄したことがあったそうです。

 私の邪推が邪推に終わり、大阪弁護士会にヒラメがいないことを祈るばかりです・・・・・。

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