大阪弁護士会常議員会傍聴報告~その2

(昨日の続きですが)

 常議員会を傍聴した一般的な感想は、①発言する方が偏っていること、②殆ど同じ質問であっても発言したい方は構わず質問していること、③質問する方の話が長くてうんざりする場合があること、です。

 法曹人口問題に関する討議では、昨日も書きましたが、日弁連との整合性をどうするのかという質問が重ねて出されていました。実は法曹人口問題PTにおいても、日弁連との関係について、次のようなご意見がMLで出されたことがあります。

「私は、司法改革の良い面、法曹人口の増加によるプラス面も正当に評価すべきだと思っています。 また、大阪弁護士会の日弁連における役割や重みを考えれば、できるだけ、日弁連との連携をはかるべきだとも考えていますし、それが、大阪弁護士会のプラスにもなると思っています。合格者3000名の見直しは、日弁連の方針にもなると思いますが、日弁連がそれをどのような表現で表明し、どのように運動をしていくのかは、思案のしどころだと思います。大阪弁護士会の活動は、日弁連のこのような悩み、動きも考慮しながら、慎重に検討すべきものだと考えています。プロジェクトチーム内では少数派かもしれませんが、外部には、このような意見の人も少なくないと思います。」

 常議員会で日弁連との連携・整合性について質問された方々は、おそらく、上記のようなご意見だったのだと思われます。

 PTのMLで流された上記の意見について、私の反論は、次のようなものでした。

(以下MLの抜粋)

 ○○先生

 53期の坂野です。

 正直申しあげて、私には、法曹人口増加によるプラス面が何であるのか、さっぱりわかりません。それで日弁連の発言力が増したとも思えませんし、弁護士全体のレベルアップに繋がったとか、弁護士の仕事の掘り起こしに直接繋がったとかいうことも実感として全く感じることはできません。市民が感謝して下さるようになったとも思えませんし、以前言われていた2割司法よりもよくなったとも思えません。

 それに弁護士会というものは、第一義的であれ、副次的であれ、その会に所属する(若手を含めた)弁護士全体のための存在ではないのでしょうか。

 だから高額の会費も支払っているのではないでしょうか。

 それにも関わらず、今後の弁護士会を担うべき若手に大きな痛みを与え、疲弊させ、さらには、弁護士全体のレベルダウンに繋がっている増員が正しいとは到底思えないのです。

 大阪弁護士会と日弁連との連携を仰っておられますが、今後増員が継続し、大阪弁護士会の若手が死屍累々となった状態で、大阪弁護士会と日弁連との連携が残っても、結局、経営基盤のしっかりしたお偉方の政治的自己満足に過ぎないような気もします。

 司法統計を見れば、あれほどの過払いバブルであると言われながら、訴訟件数は減少の一途です。破産事件も減少しています。倒産関係事件が多くの若手の重要な収入源であることからすれば、過払いバブルの終焉が間近に迫り、総量規制導入も間近である現状では、後数年で、若手が一気に経済的に疲弊する危険性は極めて高いと思われます。

 言葉は悪くなりますが、よく若手で話すのは、
「増員したってお偉方は、経営基盤を築いているし、もうすぐ引退だから増員の影響ないやんか。今後何十年か弁護士をやっていく俺らをどうしてくれんねん。食えんようになったときに責任取ってくれるンか。」
というようなことです。

 増員の(マイナス面を上回る)プラス面が本当にあるのであれば、ご教示下さい。もしそうなら、ここまで若手の不満がたまるとは思えないのですが。

 大先輩の先生に対して、失礼を承知で申しあげましたが、PTはこういう場であると考えておりますので、ご容赦下さい。

(メールの抜粋ここまで)

 その後PTの会議で、○○先生から増員のプラス面の説明をして頂いたような気もしますが、納得できなかった記憶があります。日弁連との連携・整合性を唱える方は、その前に若手の疑問に対して、きちんと明確に説明して頂きたいと思います。

 話は戻りますが、私の感じた①~③というのは、(私も含めてですが)弁護士の悪い癖のような気がします。せっかく多数の弁護士が時間を割いて常議員会を構成しているのですから、常議員会が少数弁護士の自己顕示の場かと疑われかねないような運営ではなく、真に弁護士会に必要な議論の場として、もっと活用するよう工夫できないものかと感じました。 

 法曹人口に関する決議に関する議案は、継続審議なので、次回の常議員会も傍聴できれば、ご報告させて頂きたいと考えております。 

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