法務省も認める質の低下

 法曹人口問題PTで配付された資料ですが、次のようなものがありました。

http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/minutes/wg/2007/0508_02/summary050802.pdf

 長文になりますが、是非一度お読み下さい。法務省の佐々木宗啓参事官(司法研修所の民裁教官も務められた方です)が、法曹人口を増加させるとしても質を落としてはいけない。一般の国民の方に害を与える危険が高まってしまう。現に相当質が落ちつつある。と警告されています。

 ところが、これに対して規制改革会議の大学教授達は、学者とも思えない揚げ足取り、非論理的な反論を浴びせています。ついには、「否認と抗弁の違いがわからなくても良い」「弁護士の資格なんてなくても良い」など、信じられない主張までしています。増員問題においては、弁護士を社会生活上の医師と位置づけているのですから、極論すれば、「医者は風邪と癌の違いがわからなくても良い」、「(競争させれば能力のある人が残るから)医師の資格なんてなくても良い」と言っているのと同じです。

 これではたくさんの弁護士を調査するお金と能力のある大企業や富裕層は被害を被ることはないでしょうが、一般の方々は被害を被ります。

 つまり、再びわかりやすくするために、お医者さんに例えて話しますが、どんどん資格を与えて自由競争させればいいという考えは、藪医者でも何でも良いからたくさん医師の資格を与えて競争させればいい。駄目な医者はつぶれるから問題ないじゃないか。という考えです。

 最低限のレベルが保証されていないのですから、ある人が病気になって病院を探し、そこの医者が医師免許を持っていても、その病院で診察を受けて大丈夫かどうか解らないということです。何人かの方が、その病院で不適切医療で被害を被り、その事実が次第に知れ渡った後で、初めてその病院が駄目だということが、みんなにだんだん解ってくるはずです。

 確かにそのような藪医者は、つぶれることになると思われますが、その医者がつぶれるまでに被害に遭ってしまったひとは救われるのでしょうか。またそのような被害を受けてまで自由競争させて欲しいと、本当に一般の方は考えているのでしょうか。

 私は疑問だと思います。

 彼ら(規制改革会議の大学教授連中)の言い分からすれば、とにかく市場原理が消費者のためになるという主張ですから、大学の教員だって、教授・准教授・助手・講師・非常勤講師、あらゆる教員に全て大学教授の肩書きを与えて自由競争させればいいことになります。

 後は学生の批判や研究業績の評価という市場原理で淘汰してもらえばいいのですから。市場原理を振り回す彼らの言い分からすれば、その方が学生・世の中のためになるはずです。

 彼らが、それでは大学教員全体のレベルが下がる、学生受けの良い教員だけが生き残る、教員のレベルを判断することが困難な学生が迷惑する、大学の自治が危惧される、というのであれば、弁護士の増員問題には、その趣旨の反論はもっと適合するはずです。

 大学教授と異なり、我々弁護士には、今現実に問題を抱え、解決を望む方が実際に来られているのですから。

Posted by sakano at 20:02  | パーマリンク |
2008年05月30日
日弁連総会

 本日、大阪弁護士会で日弁連総会がありました。

 これまで一度も出たことがないので、出てみたいと思っていたのですが、その日に法律相談と、当番弁護が当たっていたので、駄目でした。しかもこの日は総会に出るため出動可能な弁護士の方が少ないらしく、法律相談から帰ってみると、当番弁護を2件当てられてしまいました。

 1件は先ほどすませましたが、もう1件は、勾留質問の行われる裁判所から警察の留置場まで、まだ帰ってきていないようです。 裁判所も大変ですが、こっちも時間が取られます。

 結局、総会に出るために東京から来られた、同期の野村弁護士とお会いする予定だったのですが、それも駄目になってしまいました。野村弁護士とは大阪での刑事裁判修習中に同じ部に配属され、私は彼のことを「ノムさん」と呼びながら、もう一人同じ部に配属されていた藤澤さんと一緒に、とても楽しく修習させて頂いた記憶があります。

 ノムさんもブログをやっています。

http://nomura.asablo.jp/blog/

 結構いろんなことを考えている人です。会ってみるととても面白い方なので、今回お会いできなかったことがとても残念です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です