教養選択

 大昔の司法試験の論文試験は7科目あり、憲法、民法、刑法、商法、訴訟法(刑訴・民訴いずれか)・法律選択科目・教養選択科目が、試験科目でした。その後教養選択が廃止され、法律選択がなくなって両訴選択とされた経緯はご存じのとおりです。

 (受験歴の長い)私は、教養選択科目で、心理学を受験科目として選択していました。法律科目と違って非常に面白く、受験科目中唯一のオアシス的な科目でした。

 ただ、その心理学を勉強中に、知覚心理学の分野で、もっと早く生まれていれば・・・とすこしだけ悔やんだことがあります。

 私は小学校に2キロの道を歩いて登校していました。雨天のときと下校時だけはバスに乗っても良いと親からいわれていました。寒い冬は、しもやけができて相当辛かったりもしたのですが、秋などはイガ栗を拾ったりして、意外に楽しかった覚えもあります。ところがある日、15分くらい歩いた後、登校途中の道でちょっと立ち止まってみると、道路が自分からどんどん遠ざかっていくように見えました。不思議なことだと思って、一緒に歩いていた姉妹にも教えたのですが、やはり同じように見えたようです。これは私としては非常な大発見だと思っていたのですが、そのうち忘れてしまいました。

 また、電車通学をしていた高校生のころ、踏切を見ていたときに、踏切の警報機の赤ランプが右左に移動して見えているけれど、これは右と左の赤ランプがそれぞれ点滅しているだけで、本当は移動も何もしていないことにふと気づきました。これも不思議だなと思ったのですが、そのうち忘れてしまっていました。

 私の記憶では、知覚心理学の分野では、前者は運動残効、後者は仮現運動というものだと説明されていたような気がします(間違っていたら済みません)。本で読んだときには、いずれも自分で既に発見していたものでしたから、もう少し早く生まれていれば発見者として名を残せたのに・・・・などと考え、残念な気がしたことを覚えています。

 法律選択科目以外に教養選択科目があったため、昔の司法試験合格者の方は、いろいろ特色があったように思います。 新司法試験にも選択科目はあるようですが、多様な人材が必要なら教養選択を入れてみたらどうでしょうかね。

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