法曹人口問題PTその2

 先だって、大阪弁護士会会長選挙で、上野勝会長が選出されたことは、ご記憶に新しいところだと思います。
 ところで、先日、上野会長率いる執行部が、法曹人口問題PT(プロジェクトチーム)を立ち上げるという噂を耳にしました。
 仮に、プロジェクトチームを立ち上げて、のんびりと法曹人口問題の弊害の検証からはじめるのであれば、到底、上野会長の任期内に大阪弁護士会としての意見表明は困難だと思われました。
 そこで、イデア綜合法律事務所パートナー弁護士は、大阪弁護士会上野勝会長にどのような趣旨で法曹人口問題PTを立ち上げられるのか、その真意を聞かせていただく必要があると考え、質問状を出すことになりました。
 この質問状は、既に平成20年4月14日に、大阪弁護士会上野勝会長に届いていることが配達証明にて確認されています(ただし、私への会長委嘱としてのPT参加要請と入れ違いになってしまったことは既に私の4月14日付のブログで記載したとおりです。)。
 先だって、日弁連会長に質問状を出した際と同じく、上野会長からのお返事が頂ければ、(書式は違ってしまうかも知れませんが)一切手を加えずに当ブログに掲載する予定です。

(以下、質問状です。)

質 問 状

前略 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

 先日、上野会長率いる大阪弁護士会執行部が、法曹人口問題PTを立ち上げるとの噂を耳に致しました。しかも大阪弁護士会常議員会で、PTの構成は30名程度で、司法改革本部から4名、司法修習、法曹養成、刑事弁護、業務改革、研修、就職支援から各2名、会長委嘱として若干名とお聞きしましたが、この噂は事実でしょうか。
 以上の法曹人口問題PT設置と、その構成内容の噂が事実であることを前提に、上野会長にお尋ねしたいことがございます(万一、噂が事実でない場合は、ご容赦下さい。真剣に法曹人口問題を考えるが故の若手の勇み足としてご海容下されば幸いです。)。

 法曹人口問題を、最大の争点として会長選挙を勝ち抜かれたわけですから、上野会長には、当然上記問題に関心を持つ会員からの質問にお答え頂くべき立場におられると私達は考えます。

 なお、本質問については、当事務所ホームページ(アドレス:www.idea-law.jp)内の坂野のブログに公開させて頂くものとし、上野会長のご回答も、そのまま公開させて頂く予定です。希望があれば写しを配布することも考えておりますので、ご承知おき下さい。
 お手数ですが、回答につきましては4月20日までに頂けますようお願い致します。

(以下質問事項です。)

1 上野会長は、合格者3000人路線「即時見直し」を公約に掲げられ、即時見直しとは、2010年3000人という閣議決定の見直しを求める行動を大阪弁護士会として直ちに開始するべきだという意味で説明され、具体的には大阪弁護士会総会において2010年3000人という計画の見直しを求める決議を行ったうえで、日弁連、全国単位会に大阪弁護士会の意見として発信していくと公約されました(上野候補選挙特集Vol.3)。
 ① 大阪弁護士会定期総会は例年5月に開催される予定ですが、定期総会で上野会長が公約された2010年合格者3000人計画即時見直し決議を提案される予定はありますでしょうか。
 ② 大阪弁護士会定期総会が5月27日、日弁連総会が大阪で開催されるのが5月30日とお聞きしていますが、大阪弁護士会から3000人即時見直しを日弁連、各単位会に発信するには絶好の機会と存じます。定期総会で決議案を提案されない場合、何故、絶好の機会を見送って決議案を提案されないのかを明確に説明して頂けませんでしょうか。
 ③ 大阪弁護士会定期総会に3000人即時見直しの決議案を提出できない場合、いつ如何なる方法で決議をとるのか、その方法、時期について、具体的に明確にして説明して頂けませんでしょうか。

2 次に法曹人口問題PTについてお伺いします。
 ① 今般設置されたと聞く、法曹人口問題PTとは、具体的には何をどう検討するPTなのでしょうか。
 ② 大阪弁護士会として、3000人即時見直しの決議をすることと、この法曹人口問題PTはどのように関連するものなのでしょうか?
 ③ 万一、3000人即時見直し決議と、上記PTが関連する場合(例えば、上記PTが3000人即時見直し決議をすべきでないとの結論を出した場合、大阪弁護士会として上記決議をとらない等の場合)、公約違反となるおそれがあると思われますが、それについて如何お考えですか?
   (ちなみに、上野候補選挙特集Vol.3「私の決意」末尾の部分では、「私の政策の中には、今までの弁護士会の考え方と違う部分もあろうかと思います。特に3000人体制の即時見直しなどはそうかも知れません。しかし、このような選挙公約を表明している私が会長に当選させていただいたとしたら、会員の総意はこれまでの考え方に方針転換を求めているのだとはっきり示すことができます。そしてその方針転換を実現することが皆様のお力で当選させていただく私の使命だと確信しています。」と明言されています。)
 ④ 上野会長は、会長選挙において他候補の「増員という流れにブレーキをかける。」「対策プロジェクトチームを設置して、種々の課題を調査し、対応策を検討する。」との公約に対して、「検証していたのでは遅い」「このような調査、検討をしていたのでは同じく遅すぎるし、具体的な行動とはとてもいえない。」と批判されています(上野候補選挙特集Vol.3参照)。
   現在具体的な行動として何を行っておられますか、明確に説明して頂けませんでしょうか。
 ⑤ また、上野会長が今般設置を決定されたといわれている、法曹人口問題PTは他候補の主張した対策プロジェクトチームとどこがどう違うのか、具体的に明確に説明して頂けませんでしょうか。
 ⑥ 万一、法曹人口問題PTが、他候補が会長選挙で提示したPTの域を出ない場合、公約違反になるのではないでしょうか?
 ⑦ 法曹人口問題に関して、上野会長は、新人弁護士の就職難・待遇悪化等、増員問題は若手にとって非常に犠牲を強いている問題であることを認識されておられますか?
 ⑧ ⑥を当然認識されている前提でお聞きしますが、法曹人口問題PTには、若手(少なくとも40期以降、できれば50期以降の会員)をどれだけ参加させる方針で設置を指示されましたか。それとも若手の参加を全く指示をされていないのでしょうか?
 ⑨ 仮に⑦で若手会員の参加を指示していない場合、それは何故ですか?最も法曹人口問題で犠牲を被る、当事者ともいうべき若手をPTに参加させずに、真の法曹人口問題を検討できるとお考えになる根拠はどこにあるのでしょうか?

平成20年4月11日

大阪弁護士会 会長  上  野   勝  殿

〒530-0047
 大阪市北区西天満4-11-22阪神神明ビル901号
               イデア綜合法律事務所
弁護士  坂   野   真   一
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弁護士  冨   宅       恵
弁護士  吉   村   洋   文
弁護士  久   保   陽   一
電 話 06-6360-6110
FAX 06-6360-6120

(質問状ここまで)

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