国際交流??

 今乗っている自動車の走行距離が、7万キロ近くになったため、買い換えることになりました。非常によい自動車だったので、名残を惜しんで、先日、江文峠を走りに行ったときのことです。

 江文峠は京都大原から山の方に入り込んだ峠道で 、往復2車線あり、交通量が極めて少ないので走りは楽しめます。気分良く、そんなに上手くもないヒール・アンド・トウなどをかましながら、走っていたのですが、峠付近で二人の人が地図をしげしげ見ているところを通過しました。こんな山中でおかしいなと思ったものですから、引き返してみると外国人の方でした。

 京都の大原だけでもかなり田舎ですが、その大原よりも1キロ以上山の中なので、おそらく道に迷っていることは明らかでした。必殺ジャパニーズイングリッシュで「メイ・アイ・ヘルプ・ユー」と完璧にカタカナ通りの発音で話しかけると、ガイドブックの地図を見せて、「ハナジリバシ」と言っている様子。そのガイドブックが、ジャパンハイキングガイドとかいうもので、日本人が見ても分からないような、極めて簡略且ついい加減な地図で記載されています。これは、僕でも迷うわな、と思い、乗せてやることにしました。しかし、どう言えば良いのか分からない。結局「レッツゴウ、トゥギャザー、ノープロブレム」といって車を指さし、珍道中開始となりました。

 単語を並べて話していると、どうやら、イギリスからきたアベックさんで、イギリスではマーケティングのような仕事をしているらしいことが分かりました。休暇を利用して3週間日本を回っているのだそうです。「お前は親切だ。」と言ってくれるので、「こっちも、ヨーロッパでいろいろトラブル起こして、現地の人に助けてもらったから、ギブアンドテイクみたいなもんや」と返答しました(多分そう伝わっていると思う)。すると憎たらしいことに「俺たちは日本じゃ、そんなにトラブルは起こしていないぜ」と言っているようです。「道に迷っておいて、よう言うな」と思ったのですが、英語力がないので言えず、残念。

 更に聞いてみると、今日は3~4時間歩き続けたとのことです。疲れたのかと聞くと、男は「ちょっとね」、女は「私はちっとも」と答えます。ホンマかいなと思っていたら、男が「彼女は俺に全部荷物を持たせるんだ。重い荷物だからね」と一言。女は即座に「あんな小さい荷物、荷物じゃないでしょ!」と反論、一瞬車内が凍り付く。

 ジャパニーズスマイルで車内の雰囲気をごまかしながら、『イギリス男は年をとると「生まれ変わっても絶対に結婚なんてしない。その代わりに犬を飼う。」と例外なく言うものだ』、という笑い話も、意外と本当かもしれないと思いました。

 彼らの今日の予定としては、「ニシキマーケット」に行きたいと言ってるので、ここまで来たらついでですので、錦市場の近くまで送ってあげました。とても嬉しそうにサンキューと何度も言っていたので、ドライブがおじゃんになったにもかかわらず、なんだかこっちも嬉しくなってしまいました。

 人間には、人の役に立ったり、人が喜んでくれたりすると嬉しくなる性質がどうもあるようですね。

 それから、もう少し英語を勉強しなければと反省しました。

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