新司法試験考査委員へのヒアリング2(民事訴訟法)

  昨日の続きになります。

  民事訴訟法は、少なくとも弁護士にとっては非常に大切な法律です。民事事件を処理せずに生活できる弁護士はそういないからです。民事事件で訴訟を起こす際に基本となる法律です。

 新司法試験委員のヒアリングを抜粋しますと、次のような内容となります。

 「→」の後の記載は私のコメントです。

①良く書けた答案もごく少数あったものの、残念ながらほとんどの答案の出来映えは芳しいものではなかった。

②この文書には押印がないわけで、いわゆる二重の推定の適用は、その前提を欠くにもかかわらず、それが適用されるとした者が相当多数あった。

→これって、結構基本ではないでしょうか?大丈夫?

③予定していた解答水準よりかなり低い水準の答案が多かった。その原因であるが、これは事例に即して考えるというところまで行き着くことができなかったからではないか、つまり、基礎知識というか、基礎理論の理解が極めて不十分であったからではないかと思われる。

→やはり基礎的知識の欠如は大問題のようですね。

④一般的・抽象的なところはかなり書かれていたわけで、その点ではまずまずという出来栄えだったが、やはり、事案に即して論じると言うことについては、物足りないものが多かったように思う。

→これは旧司法試験でもいわれていたように思います。

⑤昨年のヒアリングにおいても指摘があったところであるが、法科大学院においては、一般的な理論を具体的な事例に即して展開・応用する能力を涵養する教育が望まれるという意見が多数寄せられた。それとともに、基礎的知識の不正確さが目立ったが、法科大学院教育でこれが改善できるのか、疑問であるといった、法科大学院教育に対する悲観的意見が昨年より目立った。

→基礎的知識が不正確な修了者が多くいることは非常に問題なのではないでしょうか。

⑥法科大学院の修了生の多くは、融合問題を問うだけの水準に達していないのではないか、むしろ、個別分野の重要な制度を確実に理解しているかを試す問題を出題すべきではないかという意見が複数あった。

→これって旧司法試験のような問題の方が良いということでしょうか?

 これでも法科大学院は優秀な法律家を育てている制度だと言えますか?ここまで基礎的知識の欠如が言われるのですから、かなり危険な水準まできているのではないでしょうか。

 (続く)

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