もっと恐ろしい行政書士?

 昨日のブログで、司法書士の話を少ししましたが、知り合いの司法書士さんから、「行政書士はもっとえげつないですよ。ネットで見て下さい」とのご指摘を受けました。

 そこでネットで見てみたのですが・・・・・・・・・・・・・・・。絶句です。

 まず、行政書士は、本来は①官公署に提出する書類その他権利義務又は事実証明に関する書類の作成、②①の規定で作成できる官公署への提出する書類を提出する手続について代理すること、③①の規定により作成できる契約その他に関する書類を代理作成すること、④①の規定によって行政書士が作成する事が出来る書類の作成について相談を受けること。について、報酬を得ることが出来ます。

 簡単に言えば、行政書士は行政手続きのスペシャリストであって、法律家ではないはずです。行政書士法1条も「この法律は、行政書士の制度を定め(中略)行政に関する手続の円滑な実施に寄与し、あわせて、国民の利便に資することを目的とする。」と定めています。監督官庁も司法書士は法務省ですが、行政書士は総務省です。

 ところが、離婚専門行政書士、相続専門行政書士など、でるわでるわ、違法行為乃至違法スレスレのことを明らかにやっているように思われます。離婚も相続も法律問題であり、お金を取って相談に乗ったり、相手方と交渉したり、立ち会ったりすることは明らかに弁護士法72条違反の非弁行為に該当するのではないかと私は思います。

 これだけネット広告に熱心な行政書士をみると、弁護士法72条をホントに知ってるの?と言いたくなります。参考までに、弁護士法72条を載せておきます。

 第七十二条 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

 ちなみに、弁護士法72条違反は、2年以下の懲役または300万円以下の罰金です。仮に弁護士法72条の「法律事件」について(私は事件性不要説に立ちますが、)事件性があるものに限る説に仮に立ったとしても、事件性があるから相談にくるはずでしょう?

 堂々と離婚専門を掲げ、立会料などを明記している行政書士は本当に、検挙されるのを覚悟でネット広告を出しているとしか思えません。しかも、ネットでの印象ですが、司法書士よりも行政書士の方が「町の法律家」を名乗っている場合が多そうです。違法行為(乃至違法スレスレの行為)をしていながら、本来法律家ではない行政書士が法律家を名乗るのですから、このようなことが続けば国民が司法(法律家)を信頼しなくなっても当然ですよね。

 司法書士さんが怒るのも無理はありません。

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