日弁連の大いなる誤解

 先日、日弁連からA4の封筒が届きました。不思議に思って開封してみると、20ページほどのイラスト入りカラー印刷物が入っていました。

 その印刷物の題名は「弁護士のための華麗なるキャリアプラン挑戦ガイドブック」と名付けられていました。内容は、企業内弁護士、任期付公務員、国際公務員弁護士、裁判官任官などの紹介で、簡単に言えば、弁護士の転職ガイドブックのようなものでした。

 その内容を見て、日弁連執行部は全く何も分かっていないことがハッキリしました。要するに、今の弁護士は余っているから(このままでは食えなくなるので)、今までのようなやり方の弁護士をやめて、他の職業・態様(しかもこれくらいの内容なら誰だって知っています)に転職・転身してみたらどうだ、ということのようです。

 若手の弁護士が求めていることは、すでに知っている弁護士の職域に関することを改めて教えてもらいたいというものではありません。弁護士会として(他士業等が法律違反を覚悟で浸食し続けてきている)弁護士の仕事を守り、そして新たな職域拡大を図って欲しいということです。それが弁護士増員を容認した日弁連執行部の、若手弁護士に対する最低の責任であるはずです。

 このようなパンフレットは、すでにあるものを紹介するだけですから、職域拡大に全くつながらないし、なんの解決にもなりません。

 若手弁護士は、年間60万円近くも強制的に支払わされる弁護士会費をもとに、莫大な費用をかけて、すでに知っている知識を改めて教えて欲しいなどとは思ってもいません。

 こんなあほらしく無駄なパンフレット(イラスト入り、フルカラー)を作成し郵送する費用があれば、他士業と弁護士の扱える業務の違いをきちんと広告することもできますし、弁護士法違反をして不十分な解決しかできない者を摘発して司法への信頼を取り戻すこともできるでしょう。さらに、新たな職域拡大を図るために何らかの行動(新聞に一面広告を出すなど)を起こすことも可能でしょう。

 あまりの、日弁連執行部の感覚のズレっぷりには、怒りを通り越して、苦笑しながらズッコケルしかなさそうです。

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