ペットに遺産を残すには・・・

 先月20日ころ、アメリカのホテル女王の方が、愛犬のマルチーズのために1200万ドル(約14億円)を使うよう遺言していたことが、ニュースになっていました。

 日本の民法上はペットは「物」として扱われますから、権利の主体ではなく、ペットに直接財産を残すことは出来ません。ペット自身が、財産をもてないことや、ローンの契約者になれないこと、銀行口座をもてないこと等からもわかりますね。

 しかし、長年一緒に暮らしてきたペットに、自分が亡くなった後にも安心して暮らして欲しいと願うのは飼い主としては自然です。このような場合、どう解決するかというと、負担付き贈与、負担付き遺贈という方法が考えられます。ある人に対して、財産を贈与・遺贈するけれども、受領するには~の負担を負いなさいよ、という契約です。つまり、ペットの世話をしてくれる方と、「あなたに〇〇の財産を譲るけれども、その代わり、私の愛犬の面倒をきちんと最後まで見て下さいね。」という契約をしておくということです。そうすれば、財産を譲られた方は、愛犬の面倒をきちんと最後まで見る義務が生じますから、まず安心ということになります。

 さて、先ほど書いたホテル女王の方は、四人いた孫のうち二名には、自分たちの父親の墓参りを年一回はするとの条件で、500万ドルずつ与えたそうです(これも負担付き遺贈ですね)。しかし、この二人分の金額を合わせてもマルチーズ1匹に残す金額に届きません。また、残りの二人の孫には「彼らも知っている理由により」1セントも残さないとしたそうです。なんらかの確執があったのでしょう。

 ちなみに、マルチーズの名前は「トラブル」だそうです。名前の通り、トラブルにならなければいいのですが。

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