全体の奉仕者

 先日、某区役所に法律相談に行きました。区役所によって相談を担当する係が違うので、私は、大体どこの区役所でも、法律相談に来た弁護士であることを「案内所」で申し出て、区役所のどこに行けばよいかを尋ねます。

 ところが、その区役所では案内所にいた方が、「私はちょっと代わりに案内にいるだけで、分かりません。」と言うのです。連絡して調べようともせず、「私ではわからんので、その辺の人に聞いて下さい。」と突き放されました。「何のための案内なんや」と思いながら、近くに暇そうにしている窓口の人がいたので、仕方なく聞いてみました。

 すると、その方は、聞こえないふりするのです。さすがに、頭にきて、ちょっと強い口調で「案内の方も分からないというので仕方なく聞いているのです。法律相談に来た弁護士なのですが、どこに行けばよいのですか。」と言いました。

 その方は、ほとんどこちらも見ようともせずに「ここは税金の窓口だから。」と言うのです。その方には悪いのですが、「ですから、案内の方が分からないというので、誰かに聞くしかないじゃないですか」とちょっときつい口調で言ってしまいました。

 ようやく今度はその方も私の方を向きましたが、「私は税金の担当だから分からないです。」と平然と仰るのです。一本内線電話で、問い合わせてくれればそれですむのに、それもしないのです。

 正直、「一般企業だったらあんたはクビになっとるで!」と言いたかったのですが、それも少し悪いので、「調べようともしないんですか?案内も分からないって言うし、どうしようもないんですか?」と皮肉を言って、しかたなくロビーで立って待っていました。

 さすがにその方も悪いと思ったのか、しばらくしてから「とりあえず、5階の51号窓口に行ってみて下さい」と教えてくれました。「それなら最初から教えろよ」と思いましたが、一応礼儀ですので礼を言ってその窓口に向かいました。

 公務員は健康保険や年金等でも手厚く保護されていますが、それは、全体の奉仕者であるからではなかったのでしょうか。納税者の負担で手厚く保護されていることを考えれば、もう少し市民に向けたサービスの向上を真剣に考えなければいけないのではないでしょうか。

 久しぶりに全体の奉仕者について、少し考えてしまいました。

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