谷川浩司(棋士)

 先日、加藤一二三九段の1000敗の件について、ブログで書きましたが、プロ棋士の中で、私が最も好きで応援している方が、谷川浩司九段です。

 谷川九段は、永世名人資格保持者で、美学や様式を重んじる最後の棋士と言われることもあります。また、控えめな物腰ながら尊敬されるべき人格者であると伝えられており、その華麗な終盤術は「光速の寄せ」と評されます。そのように卓越した力を持ちながら、華麗であるが故の危うさも同居しており、そのギャップが谷川さんの魅力を更に引き立てているような気がします。

 羽生善治現三冠が、将棋界のタイトル(名人・竜王・王将・棋聖・棋王・王位・王座)を全て手中にする七冠王を目前としていたときに、谷川さんが神戸の大震災に遭いながらも、四勝三敗で王将位を死守し、羽生さんの七冠奪取を阻止したことは有名です。翌年羽生さんは、保持していた六冠を全て防衛し、再度谷川さんに挑んで王将位を奪い見事七冠王となるのですが、その頃の無敵を誇った羽生さんに、最後まで抵抗して戦った谷川さんの姿が、非常に印象に残っています。

 その後、無冠に転落するも、羽生さんから、将棋界の2大タイトルと言われる名人・竜王を奪取し、見事な復活を遂げます。

 現在は、また無冠に戻ってしまいましたが、その鮮やかな復活ぶりは素晴らしいものがありました。最近は、ここ一番という場面で勝てない不運もあり、タイトルから遠ざかっているのが残念です。

 今年はこれまで10勝5敗とまずまずの成績であり、今後のご活躍が期待されます。

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