怪談の読み方

 時折過ごしやすい日があるものの、やはり夏ですね。寝苦しい夜も多いです。私の住んでいる京都では、若者が鴨川の河原で花火をよくやっています。あまり夜遅くまで花火をされると、近所に住んでいる身としては、ちょっと迷惑なのですが、夜空に消えていく打ち上げ花火を帰宅途中に見るのも悪くありません。

 さて、夏と言えば、怖い話の季節でもあります。

 昔話になりますが、小学校の先生に、怪談の正しい楽しみ方(こわくなる秘訣?)を教えて頂いたことがあります。

 その先生によると、怪談を思いっきり楽しむには、次のようにするのがよいそうです。

 ① できれば、他の家族が旅行などで不在であり、一人っきりで留守番をしている夜が良い。

 ② クーラーをつけずに、窓を少し開け、扇風機で我慢しながら読む。

 ③ 部屋の電気は消して、枕元に電気スタンド(ランプ、ろうそくならなお良い)を用意して読む。

※ランプ・ろうそくは危険ですし、目を悪くするおそれがありますので、ご注意下さい。

 ④ 音の出る器具(テレビ・オーディオなど)は絶対にならさないこと。 

 ⑤ 必ずうつ伏せで読むこと。

以上の5点が秘訣なのだそうです。

 確かにうつ伏せになって、枕元のスタンドだけで読んでいると、扇風機の風で影が不意に揺らいだりするのが目の端に入ります。それでも、読み続けていくと、不思議と、だんだん布団が重くなってくるのです。何かがゆっくりと布団に乗ってきているような気がします。いつもは聞こえない猫の鳴き声が聞こえてきたりして、開けたままの窓を閉めておけば良かったと後悔しますが、もう遅いのです。

 布団の重みは更に増してきます。しかしあなたは振り返らずにはいられません。そのときの恐怖と来たら!

 自分でやってみても分かりますが、確かに布団がだんだん、だんだん重く感じるようになります。 ちょっとしたお化け屋敷以上の恐怖が味わえます。

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