少年鑑別所と少年院

 少年事件を起こした方はよく知っているのですが、一般の方々があまり知らないのが、「少年鑑別所」と「少年院」の区別です。どちらも悪いことをした少年が入れられるという点では同じであるため、区別がついていない方も多いと思われます。

「少年鑑別所」とは、 

 本人或いは環境に問題の多い少年の身柄を収容して、調査・審判の円滑な遂行を確保し、その間の非行性の進化等を防止するとともに、社会調査・行動観察・心身鑑別を行って適正な審判の実施を図るための施設です。大阪では、堺市にあります。大阪刑務所に隣接する土地にあって、最近新築されて非常にきれいになっています。

「少年院」とは、

  初等・中等・特別・医療の4種類があり、少年を収容して矯正教育を行う施設です。(大阪府には阪南市の和泉学園、茨木市の浪速少年院、交野市の交野女子学院がある。)
  法律上収容は20歳までとされているが、現実には(簡単に言うと)長期処遇と短期処遇に分かれており、長期処遇は約1年程度、短期処遇は約半年程度の収容期間であることが多いとされています。

 非常に簡単に言えば、「少年鑑別所」は、少年審判を行う際に、事前に少年を入所させて調査を行う施設であり、「少年院」とは、少年審判により「少年院送致」の処分を受けた少年が、矯正教育を受ける場です。

 このように、審判を受ける前に入るのか、審判の結果により入れられるのかが違いますし、審判のための調査のための施設なのか、直接少年を矯正するための施設なのかでも違いがあります。

 私は、少年事件で担当した少年が、少年院送致になった場合に、機会があれば、面会に行って励ますこともあり、金沢、伊勢、加古川、和泉、宇治などの少年院に行ったことがあります。どこも相当厳しい教育がなされているようでしたが、少年たちはみんな面会を喜んでくれたようです。ただし、どの少年院も結構不便な場所にあるので大変でした。

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