ビジネス法務に論考が掲載されました。

 ビジネス法務8月号(中央経済社刊 6月21日発売)に、当事務所の加藤弁護士と、ネクスト法律事務所の細見弁護士と私の共著で、論考が掲載されました。

 私たちが弁護団に参加した「ダスキン大肉まん事件代表訴訟」から、「企業不祥事に関する取締役の責任」を考察したものです。3人とも書きたい内容は山ほどあったのですが、紙数の制限から、8ページ弱に収めなければならず、割愛せざるを得ない内容も多く出てしまったのが残念です。

 さて、上記の「ダスキン大肉まん事件代表訴訟」は、不祥事に直接関与しなかった役員らにも2億1122万円から5億5805万円もの損害賠償責任を認めた高裁判例として、非常に注目を集めています。コンプライアンスに関する最近の書物に、大和銀行株主代表訴訟事件・雪印食品株主代表訴訟事件と並んで、必ずと言ってよいほど取り上げられているようで、多くの文献で紹介されているところです。

 しかし、実際の裁判の場において、裁判長が役員のとった対応のどの部分に着目していたのか、どの部分に注意を払って役員を尋問していたかというナマの部分については、裁判に直接関与した弁護団にしか分かりません。役員としての善管注意義務を尽くし、代表訴訟を起こされた場合に損害賠償責任を免れるためには、裁判官の注目していた点が、やはり最大のポイントとなるのではないかと思います。

 加藤弁護士と、機会があれば上記の点についてまで踏み込んで論考がかければいいなと話し合っております。

 なお、上記事件については現在最高裁に係属中です。

 興味を持たれた方はビジネス法務8月号を是非ご一読下さい。(私の紹介の欄で、「学会」と記載すべきところが「学界」と誤植になっておりますが、それはご愛敬ということで。)

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