将棋ファンとしてはたまらない

 すでに報道されている通り、藤井聡太七段が、将棋のタイトル戦である棋聖戦の挑戦者になった。

 新聞報道によると、正式には挑戦者として対局した時点で、タイトル挑戦最年少記録ということになるのだそうだ。確かに、挑戦者を決定するトーナメントで優勝していても、何らかの事情で挑戦者としての対局ができなかった場合は、タイトル挑戦の事実は生じないので、まあ納得はできる。

 藤井聡太七段が挑戦する棋聖タイトル保持者は、渡辺明三冠である。これまで中学生でプロになれた天才棋士は、加藤一二三・谷川浩司・羽生善治・渡辺明・藤井聡太の歴史上五人しかいない。藤井七段にとって、中学生棋士経験者で、一番新しい先輩が渡辺明ということになる。

 渡辺三冠は、長らく竜王位に君臨し、初めて永世竜王の称号を得たことでも知られる。

 そして渡辺三冠の前に、中学生で棋士になった3人(加藤・谷川・羽生)はいずれも、最も歴史のあるタイトルである名人を獲得している。

 渡辺三冠も、当然早々に名人位を取るだろうと私は思っていたが、どういうわけかこれまで名人位に挑戦すらできていなかった。しかし、昨年度A級順位戦では、順位戦最高のAクラスの猛者達を相手に、全勝して豊島名人への名人挑戦権を獲得した。つまり極めて充実した状態にあるといってもいいだろう。

 新型コロナウイルスの影響で、対局時期が例年より大幅に変わってしまったこともあり、渡辺三冠は、名人戦挑戦と藤井七段を迎えての防衛戦を、並行して戦わなければならなくなった。

 スケジュール的には大変だろうと思う。

 しかし報道によれば、渡辺三冠も、藤井七段とのタイトル戦は、歴史に残るタイトル戦になるだろうと述べているそうで、そのように注目度の高い棋戦で、天才が燃えないわけがない。

 一方、名人戦も最も歴史のあるタイトルであるし、これまで25期もタイトルを獲得していながら、名人位はまだ獲得したことのないタイトルなので、渡辺三冠としては、やはり獲得に燃えているだろう。
 

 これは、将棋ファンとしては楽しみな日々が続きそうである。

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