法曹養成制度改革顧問会議第一回議事録~4~ 2013年10月23日投稿

2020年3月25日 0 投稿者: sakano

山根顧問

・法曹養成制度についてですけれども、最近も新聞報道等でも多く取り上げておりまして、とても社会の関心の高い問題だと実感しています。この顧問会議の開催に先立ちまして、法曹養成制度改革推進室の担当の方から検討の論点についても説明を受けまして、自分なりに現状の問題点について、今、感じているところがいろいろございますが、例えば一つ、法科大学院のことでは、修了者の司法試験最終合格率というのが低迷する一方で、先ほどからも説明がありましたけれども、予備試験合格者の合格率が約7割にも上ると聞いています。法科大学院の創設は多様な人材が法曹を目指すことができる、そのようになるということが期待されておりましたけれども、現状を鑑みますと、このままでは優秀な人材が法科大学院を敬遠するようになってしまうのではないかと懸念しております。

(坂野のコメント)

主婦連合会会長の山根顧問の発言です。

ご自身が、法律の素人だ、と述べておられることからも、山根顧問が一般の国民の皆様の感覚に近い見方をされている可能性が高いと推測できるかもしれません。

その山根顧問が、法科大学院の問題を最初に取り上げたのは、一般の国民の皆様から見ても、法科大学院制度は問題は大きな問題を抱えているということが看て取れる可能性が高い、ということなのでしょう。先日述べた法学部の人気凋落からも分かるとおり、優秀な人材であればあるだけ人生の先を見通して進路を選択しようとしますから、リスクが高くリターンが不明確な法曹界、法科大学院を敬遠する傾向はすでに出ていると思われます。

優秀な人材を得ようとすれば、当然その優秀な才能に見合ったリターンを用意する必要があります。企業のヘッドハンティングでも、大したリターンも準備せずに成功するはずがありません。そのリターンが、お金なのか、名誉なのか、権力なのかは分かりませんが、そのいずれも与えずに優秀な人材を集めようとしても無理な話です。

・また、法テラスについても興味がございます。創立当初は大変期待も話題も大きくてということがございましたけれども、現状としてはまだまだ知名度が低い、市民に十分活用されているとは言えないと思っています。是非法テラスが市民にとって身近な存在で、何かあったら駆け込めるというような場になるために、多くの法曹の方がこの分野でも活躍を広げていただければと思っています。

(坂野のコメント)

法テラスの利用拡大を図るなら、まず、法テラスの償還制を廃止すること、そして弁護士報酬の基準を上げることです。法テラスに相談に出かけても、相談は無料かもしれませんが、弁護士さんに依頼しようとすれば、基本的には弁護士費用の立て替えしかしてもらえず、結局、後で返さなくてはならないのですから、その利用を躊躇してしまうことはあきらかです。

また、法テラス案件の弁護士報酬は、基本的に経営者弁護士にとっては、赤字です。そうなれば、法テラスを利用してどんどん解決しようというインセンティブを弁護士に求めるのは難しいことになります。

このようなことを述べるとすぐに、「ふざけるな、弁護士は法テラスに協力しろ、金のことを考えずに人を救え、仕事しろ。まだ弁護士過疎地もあるだろう。」とマスコミはいいたがる傾向にあります。弁護士になれば国が金のなる木をプレゼントしてくれて、弁護士の生活が完全に守られているのであれば、そのようにいわれても仕方ないかもしれません。しかし、弁護士も一民間事業者です。弁護士だって職業です。その仕事で生活をし、家族を養わなければなりません。ですから、採算度外視の活動を弁護士に要求することは、基本的には誤っているのです。

医師会だって、過疎地への医師派遣は財源を確保してから、と述べています。お医者さんだって生活できないのであれば誰も過疎地に行きません。当たり前のことです。どうしてこの当たり前のことが弁護士に関しては無視され続けているのか、私には不思議でなりません。

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