弁護士大激変!~週刊ダイヤモンドの記事 その1~ 2009年08月25日投稿

2020年3月4日 0 投稿者: sakano

週刊ダイヤモンド8/29号に、弁護士大激変!と書かれた特集がなされている。

内容は、①過払い請求の宴、②弁護士の使い方入門、③弁護士非情格差、④タレント弁護士の本音、⑤法科大学院の蹉跌、⑥やめ検人脈の系譜というもので、最初に過払い請求について書かれているのが昨今の状況を反映していて興味深い。

過払い請求は、比較的定型的な業務であり、大手消費者金融会社相手だと取りっぱぐれもなく、報酬も頂きやすいため、扱う弁護士・司法書士が一気に増加した。

 もともと過払い請求は債務整理の一つである、任意整理の一環である。

 任意整理は、これまで消費者金融が取得していたグレーゾーン金利を、利息制限法の法定利率で引き直し計算を行い、払いすぎの金利部分を充当して減額させ、法律上支払うべき金額を確定し、多重債務者が支払える限度で、債権者(消費者金融)と個別に分割の支払約束を取り付ける、という多重債務者の経済的再建を目指す手続である。

例えば、消費者金融から50万円を借り入れ、利息が25%を支払っていたとすると、元本50万円の場合利息制限法上は18%が上限金利なので、25-18=7%分が、払いすぎ利息(いわゆるグレーゾーン金利)となる。この7%分を返済したとして扱って計算を行い、借金の額を減らしていくのである。長期間借入をしている人ほどこの7%分が積み上がっていくので、取引期間が長期にわたる場合は、すでに完済状態になっている場合もある。それでも支払っていた場合は逆に、消費者金融にお金を返してと請求できる。これがいわゆる過払い金だ。

 もちろん、引き直し計算の結果、過払い金が発生している場合は取り戻す請求を行うが、過払い金請求自体はそう手間はかからないことが多い。むしろ、借金が残った場合に、どうやって債務者が支払える範囲で分割払いの約束を消費者金融と締結するかの方が、やっかいなことが多い。債務者は支払が困難だから弁護士に相談に来ているのだし、消費者金融は早く回収したいから長期の分割に難色を示すことが多い。また、遅延損害金をカットするかでもめることも多いからだ。しかも、このような場合、弁護士報酬もそう高くはないし、分割でないと支払いできない場合も多い。

 一方、引き直し計算の結果、過払い状態になっている消費者金融ばかりだと、弁護士としては楽である。まずやっかいな分割払いの交渉をしなくて済む。現在では、大手の場合、取引履歴はすぐ出てくるので証拠もあるから訴訟しても敗訴の危険はまず無いし、勝訴の場合は少なくとも相手が大手であれば取りはぐれることがない。なにより依頼者からものすごく感謝される。もちろん報酬も分割払いの話し合いをつけたときよりも高く取れるし、実際上も過払い金からもらえるので取りはぐれる危険もない。

 私は、独立してこの事務所を開設する前から過払い金請求事件を取り扱ってはいたが、当時は大変だった。

 まず、今では受任通知を送ればすぐに出してもらえる取引履歴が、何度請求しても出してもらえない。仕方なく、推定計算で訴訟を提起し(訴状受理の段階で、推定計算の根拠をしつこく聞く裁判所書記官もおられたように記憶する。)、その手続の中で、文書提出命令を申立て、履歴を出すよう裁判所から命令してもらうよう努力する。

 文書提出命令の争いに勝って、裁判所から消費者金融会社に対して取引履歴を提出するよう命令が出ても、抗告され、再度争う必要がある。抗告審で勝っても、許可抗告の申立までされる。
 取引履歴を出してもらうだけでも、これだけの遠い道のりが必要だった。

 さらに、本訴においても、みなし弁済の主張をはじめ、ありとあらゆる抵抗を受けたのが、当時の過払い訴訟だった。最高裁判決が出てずいぶん楽になり、多くの過払い金問題は和解でケリがつくようになった。

(続く)

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