認定司法書士の裁判外和解に関する代理権の範囲~2016年6月28日掲載

2020年2月5日 0 投稿者: sakano

 最近でこそ減ったものの、一時は地下鉄の吊り広告やスポーツ新聞の広告欄に、借金問題(債務整理)を扱うという、司法書士や弁護士の広告が数多く出されていた。

 もちろん弁護士は、全ての法律問題に関して、全く制限なく、依頼者の方を代理できる。

 一方、研修を受けて認定を受けた認定司法書士は、簡裁民事訴訟手続の代理権を司法書士法で与えられるため、140万円の範囲で依頼者を代理、即ち依頼者の代わりに代理人として行動することが可能である。

 債務整理に関しては、弁護士は全ての案件を扱えるが、認定司法書士には上記の法律の制限があるので、争いがあった。すなわち、借金問題はほぼ定型的な処理が可能な類型であり、仕事としては効率がよいので、簡単に言えば、司法書士側はとしてはできるだけ扱える範囲を大きくしたい考えがあり、弁護士側としては法律の制限を厳格に守れとの考えがあった。

 弁護士側の言い分は、誤解を恐れずに単純化していえば、法律には140万円の範囲と書いてあるのだから、借金として1債権者から請求されている額が140万円を超えている場合、借金総額が140万円を越えている場合は、司法書士には代理権がないというもの。

 認定司法書士側の言い分は、誤解を恐れずに単純化していえば、140万円というのは経済的利益だから、仮に債権者から250万円の請求を受けていても債務整理して借金を120万円に減額できれば、経済的利益は250-120=130万円であり、140万円の範囲内といえるから、代理権はある、というもの。

 今回の最高裁第1小法廷平成28年6月27日判決は、

「債務整理を依頼された認定司法書士は、当該債務整理の対象となる個別の債権の価額が法3条1項7号に規定する額を超える場合には、その債権に係る裁判外の和解について代理することができないと解するのが相当である。」

 として司法書士側の言い分を退け、

「上告人(認定司法書士)は、本件各債権に係る裁判外の和解について代理することができないにもかかわらず、違法にこれを行って報酬を受領したものであるから、不法行為による損害賠償として上記報酬相当額の支払い義務を負うというべきである」

 と判示した。

 つまり、1件あたりで請求されている債権の価額が140万円を超える借金に関する債務整理は、認定司法書士の代理権がないので、認定司法書士が代理して整理することは違法行為であり、依頼者は債務整理に関して司法書士に支払った報酬を返してもらえるということだ。

 例えば、A・B・C3社から合計300万円の借金をしていた人が認定司法書士に債務整理を依頼した場合、

①A社から100万円、B社から100万円、C社から100万円を借りていたのであれば、各社からの借金は全て140万円以内だから、認定司法書士が債務整理を代理できるので、適法な債務整理となる。この場合は、適法な債務整理がなされているから司法書士報酬を返してもらえない。

②A社から150万円、B社から100万円、C社から50万円借りていたのであれば、B社とC社の債務整理は問題がないが、A社との債務整理は140万円の価額を超えているので認定司法書士に代理権がないため違法な債務整理となり、A社の債務整理に関して認定司法書士に支払った報酬は返してもらえる、ということになる。

 違法な債務整理を行った認定司法書士に対する報酬返還の裁判は、今回の最高裁判決が出てしまったので、一定の証拠さえあれば、ほぼ負けようがない裁判になる可能性が高い。

 認定司法書士への報酬返還を、新たなビジネスチャンス・仕事の掘り起こし、と考えて、大々的に広告をうち、集客を図る法律事務所が出てくる可能性もあるかもしれないね。

ゴルフのこと~1

投稿日:2016年6月24日 by sakano カテゴリ: S弁護士シリーズ

 15年ほど前、S弁護士がイソ弁として勤務していた事務所では、ボス弁は3人ともゴルフをやっていた。

 そして、S弁護士もボスからもゴルフをやることを勧められた。大の大人が止まっているボールをぶっ叩いて、穴ぼこに入れて、何が面白いんだろうと思いつつ、父親に聞けば、誰かに習った方が良いとのこと。

 ふーんそうなのか、意外に素直なS弁護士は、インターネットで探して、近くのゴルフスクールに体験入学してみた。確か5000円で3回くらいのお試しレッスンだったと記憶している。

 最初は握り方を教わって、6番アイアンを振らされた。

 上手く当たらない。

 空振り、カスあたりの連続だ。

 止まっている球の方があたらんのか!

 「なんじゃあこりゃぁ~」と心の中で松田優作っぽく愚痴りながら、クラブを振り続ける。

 あまりに苦戦していることに気付いたのか、若い女性を熱心に教えていた、ゴルフのコーチが時折こちらを見て、S弁護士に向かって、「そうじゃなくて、こう振るの。」と身振りで示すが、そんなスイングができるなら、そもそもここに来ているわけがないじゃない。

 あかん、わからんわ。そんな身振りで示されたって、すぐに再現できる程の運動神経がある人なんてどこにいる。そんな運動神経あったら、こんなとこ来るかいな!

 心の中で文句を言いつつも、カスあたりは続く。

 極めて恥ずかしい。

 スクールには、中学生くらいの子供も、若い女性もいるが、間違いなく段違いに、ええ歳こいたS弁護士が下手っぴーなのだ。当たり前と言えば当たり前なのだが、当時はまだ見栄もあったのだろう。恥ずかしくって仕方がない。

 見かねたコーチがつかつかとやって来て、「トップはここ」、と力任せに身体をひねられた。S弁護士の、脇腹には激痛が。。。

 くそーこんなスクール、誰が来てやるか!と思いつつも既に払ってしまったレッスン料はちともったいない。

  そこで耐えて、3回目のスクール。

  別のコーチがS弁護士のスイングを見て、「そうじゃなくて、バチーンと打つの。バチーンと」と口頭指導。

 そのバチーンができるんやったら、苦労せんがな。

 それに、バチーンてなんやねん。

 大阪のおばちゃんの、「ゴキブリが、わーってやってきてなぁ」の「わーっ」と変わらんやないの。

 もうこれはあかん。

 スクール行っても無駄やわ。

 バチーンが分からんS弁護士に、なんぼ指導して頂いても豚に真珠どす。

 ということであえなく、S弁護士のゴルフスクールは、きっかり三日坊主で修了することになった。

 その後何度か、友人に誘われて無理矢理コースに出たこともあるが、ティーグラウンドで友人と別れ、綺麗に整備されたフェアウェイには近寄らず、急斜面やら林やらをゲリラ戦のように渡り歩き、あらぬ方向からグリーン付近に現れて、バンカーの往復びんたから5パットかギブアップという盛りだくさんの内容で、何~にも面白くなかった。

 自分が何打打ったのか分からなくなるので、打数カウンターを買ったものの、10カウントでは足りないことが分かり、15カウントできるものに買い換えたりもしたが、やっぱり面白くも何ともない。

 友人のM弁護士に打ちっ放しに連れて行かれたこともあるが、打席に入り、おもむろにドライバーを振ったら、ボールは物理法則を無視したかのように、ほぼ垂直に舞あがり、真上の屋根に直撃!

「どんな打ち方したら、そんな方向に飛ぶネン?」とあきれられた。

 極めつけは、左ヒジを打撲していたのに、人数が足りないからと無理矢理連れて行かれた北海道で、初日3ホール目くらいにバンカーで大ダフリをやって、更に左ヒジを痛めクラブが握れなくなり、途中リタイヤ。

 翌日は、性懲りもなくゴルフに出かける友人と別れ、美術館と円山動物園のシロクマを見物して時間をつぶす、という何のために北海道に行ったのか分からないことまでやってのけた。

 もうやめだ~。終了~~~~!

 とおもって、S弁護士はゴルフなんぞ記憶の片隅に追いやっていたのですよ。

 ところが・・・・。

(つづく)

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